「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
ハリウッド内輪ネタ
★★★
(2014年/アメリカ/120分/Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance))
【 製作・監督 】
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
【 出演 】
マイケル・キートン
ザック・ガリフィアナキス
エドワード・ノートン
アンドレア・ライズボロー
エイミー・ライアン
エマ・ストーン
ナオミ・ワッツ
リンゼイ・ダンカン
メリット・ウェバー
ジェレミー・シェイモス
ビル・キャンプ
ダミアン・ヤング
【あらすじ】
かつて“バードマン”というスーパーヒーローで一世を風靡したリーガン・トムソンは、今ではすっかり落ち目の役者。
彼は再起を狙い、自ら脚色・演出・主演を手がけた舞台をブロードウェイで上演しようと奮闘するが、若手の俳優マイク・シャイナーのわがままにふりまわされっぱなし。しかも娘サムとの溝も深まる一方。自分自身も未だバードマンの幻影にまとわりつかれ、不安定のまま舞台の幕が上がるのだった―
【コメント】
「アカデミー作品賞が必ずしも面白い映画ではない!」ということは本ブログでも再三語っておるところですが、それでも作品賞を受賞した映画ならばちょっと観たくなっちゃうのが映画好きの哀しい性でして、見事本年度のアカデミー作品賞に輝いた本作『バードマン』もご多分に漏れずいそいそと劇場に足を運んじゃった次第であります。
うん、まあ正直何とも言えないです。どういった部分が作品として優れていたのか、皆目見当が付きません。
いや、決してつまらないわけではなかったですよ。落ちぶれた俳優が孤立奮闘して輝きを取り戻そうと躍起になっている姿はある意味滑稽で、リアルでもそんな役者さんはごまんといることでしょう。結局は実力と運とタイミングがものをいう芸能の世界においては、それがやりがいであったり辛さであったりしますから。かつての当たり役の幻影にまとわりつかれながらなんとか再び羽ばたこうとするそんな役者をブラックユーモアでもって映像化して「あ~あるあるwww」なんて思っちゃったりする、いわゆるハリウッドの内輪ネタ、内幕的なネタ作品じゃないかと僕は思います。
そういった意味でも、かつて「バットマン」シリーズで名声を手にしたマイケル・キートンの起用はいいチョイスだし、むしろ「監督狙ったな」と思うくらい。パッとしませんでしたからね、キートン。
面白かったのは、入れ代わり立ち代わり役者が舞台裏で絡み続けながら展開する“超長回し”で、とにかく切れ目なく序盤から1時間近く長回ししてたんじゃないでしょうかね。途中の夜明けとかの撮影で一拍置くような場面は数か所ありましたが、最初から最後まであたかもカメラ1台で事の顛末を追っている撮影手法は面白かったと思います。
役者に限らず、歌手も芸人も息長く続けるのは大変でしょうな。過去の栄光にすがったり、逆に払拭しようと新たなジャンルに挑んだり、それでも観客は古いものをどんどん捨てて忘れていく。芸能の世界で食いつないでいくためには、あの手この手で自身をプロデュースしていかなくてはいけない。ほんとシビアな世界だと思います、芸能界。
【2015年度 Myランキング】(4/12時点)
本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
暖かくなって劇場鑑賞も捗ります。
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
1位:フォックスキャッチャー ★★★★
2位:プリデスティネーション ★★★★
3位:アメリカン・スナイパー ★★★☆
4位:ソロモンの偽証 前篇・事件 ★★★☆
5位:マッハ!無限大 ★★★☆
6位:ミュータント・タートルズ ★★★☆
7位:
8位:
9位:
10位:
次点:
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:ソロモンの偽証 後篇・裁判 ★★
2位:ハネムーン ★★
3位:デッドハング ★★
<その他ランク外一覧>
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