ストレイヤーズ・クロニクル　（評価：★☆）

※※※　注意　※※※
　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2015』の掲載にあたって」

中学二年生の学芸会

★☆

（2015年／日本／126分）

【　監督　】
瀬々敬久

【　原作　】
本多孝好

【　出演　】
岡田将生
染谷将太
成海璃子
松岡茉優
白石隼也
高月彩良
清水尋也
鈴木伸之
柳俊太郎
瀬戸利樹
黒島結菜
青木崇
渡辺大
忍成修吾
団時朗
日向丈
布施紀行
本郷奏多
豊原功補
石橋蓮司
伊原剛志

【あらすじ】

　1990年代初頭に極秘裏に行われた実験により、特殊な能力を身に付けた若者たち。彼らは特殊な能力の代償として、いずれ精神が崩壊してしまう“破綻”の危機を常に抱えていた。
　昴をはじめとする若者たちは、衆議院議員外務副大臣の渡瀬の指示により裏の仕事を受けて生活をしていたが、そんな中学率いる“アゲハ”という謎のグループが現れ、渡瀬の命を狙ってくる。彼らもまた実験により生まれた特殊力者集団だった。
　同じ宿命を背負った二つの集団が戦っていくうち、彼らの出生の秘密と人類滅亡につながる秘密が明らかになっていく―

【コメント】

　さて、本作は劇場でさんざん予告編を観ており、原作は未読なもののちょっと興味を持った作品だったので、公開を機にレイトショーに足を運んでみた次第です。まあ、超能力モノというのはなんとなく分かってたし、なんとなーくありきたりな設定のような気がしないでもなかったのですが、出演者も今を輝くヤングな役者が揃っているので、まあ面白そうだなと興味を持ったわけです。

　あーやっちまった。ヒデーっすね、これ。久々に学芸会を見せられた気分です。
　ぶっちゃけ、オープニングで最初に発せられるセリフ「ヒロト、やめるんだ！」のあまりの棒読みっぷりに、期待から一気に不安へと変わり、それが見事に的中したわけですが、とにかくヤングな役者たちが薄っぺらいにもほどがあるくらいの演技で、場数を踏んでいるはずの岡田将生や、演技派としてどんどん羽ばたいていくべき染谷将太の演技がわざとらしすぎて空回りもいいとこ。豊原功補や伊原剛志、石橋蓮司というベテランをもってしてもその薄っぺらさに厚みを持たせることはできなかったようです。唯一、アゲハのミニスカねーちゃんがちょっとセクシーだったことかな。
　内容も内容で、どこぞの中学二年生が考えたんじゃねーのっつーくらいの厨二病丸出しのストーリーで、後半はあくびが止まらないほどに退屈してしまいましたね。
　脚本が悪かったのか、それとももともとの原作がこんな感じなのかは定かではありませんが、いずれにしろ言えることは、監督の手腕不足、これに尽きると思います。脚本しかり、カメラワークしかり、そして演出しかり、とにかくお金をかけた学芸会であったことは間違いなかったようです。