「新選組オブ・ザ・デッド」　★★～バナナマン日村は“客寄せパンダ”

※※※　注意　※※※
　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2015』の掲載にあたって」

バナナマン日村は“客寄せパンダ”

★★

(C)「新選組オブ・ザ・デッド」製作委員会

（2015年／日本／72分）

【　原案・脚本・監督　】
渡辺一志

【　出演　】
日村勇紀
山本千尋
竹石悟朗
水樹たま
上杉周大
チャド・マレーン
古旗宏治
桜井宗忠
コッセこういち
渡辺一志
尚玄唐人
川岡大次郎

【あらすじ】

　開国間近の幕末の日本。
　京都の港で、武器商人カウフ商会が持ち込んだゾンビが街に逃げ出してしまい、新選組の隊士・屑山下衆太郎がゾンビに噛まれてしまう。
　坂本竜馬を捕えた新選組監察方の山崎烝らが駆けつけゾンビと屑山を捕えるが、徐々に屑山はゾンビ化。京の町の人々もゾンビ化し、街は混乱し始める―

【コメント】

　秋といえば芸術の秋。しかしながら、僕の映画鑑賞は季節関係なく続いているわけです。
　今日もTSUTAYAで借りてきたDVD片手に土日の映画三昧を堪能しているわけですが、今回借りたのは劇場公開時ちょっと気になっていた作品。ゾンビものには目がない僕ですが、バナナマン日村が主演とあってちょいと観てみるかと手に取った次第です。

(C)「新選組オブ・ザ・デッド」製作委員会

発想は悪くないが、ゾンビの醍醐味はまったく無し

　うん、まあこんなもんでしょう。ぶっちゃけVシネです。というか、もっとハチャメチャでも良かった気がしますね。
　幕末の日本にゾンビが出現するという発想や、そのストーリーに坂本竜馬が絡んでくる展開、“武士道”という日本固有の精神を盛り込んだ点は悪くなかったと思いますが、なにぶんお金が全くかかっていない感がアリアリなので、見せ場というか盛り上がる部分が全然盛り上がらない。
　ゾンビものの定番であるゾンビの大群が押し寄せるパニック展開も全然なくて（というかオチになってる）せっかく悪くない発想だったのに、ゾンビの醍醐味が全く感じられない残念な結果となってましたかね。

バナナマン日村は“客寄せパンダ”

　ポスターを見ると、いかにもバナナマン日村がゾンビ相手に大暴れ！みたいな感じになっているし、実際オープニングでの出演テロップでも日村が最初にクレジットとして登場します。
　しかしながら本編での日村の登場はほんとに少なくて、ストーリー的にはあまり重要なキャラとは言えません。ほとんどは新選組と坂本竜馬とのやり取りに終始しており、「主演・バナナマン日村」というクレジットは正直“客寄せパンダ”以外の何者ではありません。
　まあでも、本作で唯一観客を呼べるキャストといえば彼しかいませんから、ここは製作者苦渋の選択だったんだろうと理解しております。

ゾンビがしゃべっちゃダメ！

　ゾンビ好きの僕からついでに言うと、本作では坂本竜馬とゾンビ“ジョージ”（チャド・マレーンがやってる）がカタコトながら会話して心を通じ合わせるシーンがあったり、ゾンビと化した日村演じる屑山がラストで侍魂を出す見せ場があるんですが、「ゾンビはしゃべったらアカン！」というのが本作に言いたい部分。
　まあ、僕の勝手な固定観念なんですけどね、ゾンビは余計な知能を持たずただただ人肉をむさぼり彷徨う恐怖の存在であって欲しいというのが僕の本音です。
　ちなみに、“走るゾンビ”も僕は好きじゃないです。