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「グラスホッパー」 ★★☆~結局、誰を主役にしたかったのか?

※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
 これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2015』の掲載にあたって」



結局、誰を主役にしたかったのか?

★★☆


(C)2015「グラスホッパー」製作委員会




(2015年/日本/119分)

【 監督 】
瀧本智行

【 原作 】
伊坂幸太郎
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【 出演 】
生田斗真
浅野忠信
山田涼介
麻生久美子
波瑠
菜々緒
村上淳
宇崎竜童
吉岡秀隆
石橋蓮司
金児憲史
佐津川愛美
山崎ハコ




【あらすじ】

 東京・渋谷のスクランブル交差点で、不慮の事故により恋人を失った元中学校教師の鈴木は、恋人の復讐のため裏社会に潜入し真相を追う。
 そこに“自殺屋”の異名を持つ殺し屋・鯨、そしてナイフ使いの殺し屋・蝉らの殺し屋たちが交錯し合い、やがてひとつに収束していく―


【コメント】

 普段あまり本を読まない僕は、もちろん伊坂幸太郎なる作家の本は読んだことがありませんが、なぜか映画ではよく観たりします。『アヒルと鴨のコインロッカー』『重力ピエロ』『ゴールデンスランバー』『ポテチ』『オー!ファーザー』などなど、映像化されやすい作家さんのようです。まあ、なんだかんだでどれも面白いですからね。
 そんな実績もあったもんで、本作『グラスホッパー』も公開前からちょっと楽しみにしておりました。あいにくの雨の日曜日でもなんのその、劇場「立川シネマシティ」まで足を運んで鑑賞した次第です。



(C)2015「グラスホッパー」製作委員会


結局、誰を主役にしたかったのか?

 うーん・・・なんだかいろいろと不満が残る映画だったなー。なんか全体的にまとまりがないっつーか、結局何が主軸となる映画だったのか、そして誰を主役にしたかったのかがうやむやのまま消化不良で終わっちゃいましたね。
 お話として大きく3つのストーリーがあって、恋人を亡くした元教師の犯人追跡劇と、“自殺屋”とよばれる殺し屋・鯨のトラウマ、ナイフを使った若き殺し屋とその雇い主である岩西との奇妙な友情、このそれぞれのエピソードが最後1つになって大団円という物語なんですが、どのエピソードも中途半端なものでノるにもノり切れない。
 そもそも、本作の主軸が恋人の復讐劇メインなのか、それとも殺し屋たちのドラマメインなのかがブレブレでスッキリしないわけです。ブレブレだから誰が主役だったのかもよく分からない。群像劇といえば群像劇かもしれないけど、主軸がブレてるから群像劇としてもまとまっていない。期待した分、このまとまりのなさが目立って残念な仕上がりでしたかね~


余計な場面が多くて中弛みしまくり

 消化不良もさることながら、どうもそれぞれのエピソードに余計な場面が多くてグダグダしちゃうんですよね~
 生田斗真演じる元教師と恋人との思い出話が無駄に長かったり、自殺屋と彼が殺してきた亡霊との会話のくだりもなーんか無駄に多いなーと感じたり。結果的にテンポが悪くなって中弛みしちゃってるんですよね~
 それぞれの登場人物を余すところなく表現しようとしたあまり、全体的にグダってまとまりが無くなっちゃって退屈してしまう仕上がりになってましたね。


山田涼介の見せ場多すぎ、一方、生田斗真は見せ場なし

 本作の主役級の演者として、生田斗真と山田涼介のWジャニタレが出演してますが、二人の見せ場には歴然とした差がありましたね。
 昨今はもうTVで大活躍している山田涼介、本作はナイフを使ったやんちゃな殺し屋として鮮やかなナイフさばきとクライマックスの鯨とのバトルで大暴れしていて、まさに見せ場満載。ファンならば「キャーカッコいいーーー!!!」と黄色い声をかけてしまうことうけあいでしょう。
 方や、てっきり主役だとばっかり思っていた生田斗真は、最後の最後まで活躍らしい活躍をしていない。復讐をするにもヘナチョコなので、一矢報いるような活躍場面がなく、追いかけられて捕まってぶん殴られて気絶して目覚めたら事件解決という体たらく。なんとも報われない復讐劇のため、観ている僕もモヤモヤしまくりでした。
 そもそもの原作がこんな感じなのか、はたまた山田推しのジャニーズの戦略なのかは定かではありませんけどね。もうちょっと生田君に見せ場を盛ってあげるべきだったんじゃないかと思います。


すっかり板についた菜々緒の悪女ぶり

 最近、TVドラマで映画でしょっちゅう見かける菜々緒ですが、今やイヤな女、悪女を演じれば右に出る女優はいないというくらい板についてきましたね~
 本作でも暴れん坊のキッツイ悪女を演じていてかなりハマっているし、フジのドラマ「サイレーン」でも悪女、同じくフジのバラエティ「スカッとジャパン」でもイヤな女役と、イメージがそれに固定されちゃうんじゃないかというくらい悪女を演じていて、女優生命を掛けているなという印象。
 それにしても、悪女とは言え、いちモデルからうまく女優に転向した成功例のひとりだと思います、菜々緒。


伊坂幸太郎の映画化は中村義洋監督に

 そんなわけで、本作は僕的には消化不良の不満が残る映画でした。もうちょっとうまくエピソードを絡めていけば面白くなったのかも知れません。
 伊坂幸太郎の小説は、あの「お分かりいただけただろうか」でおなじみ?の中村義洋監督がよく映像化しており、本作を中村義洋が監督していたらどうなったんだろうとも思ったり。伊坂幸太郎と中村義洋のタッグって面白いんですよね。雰囲気がマッチしているんでしょうか。
 伊坂幸太郎の映画化は、もう中村義洋監督の専売特許にしちゃってもいいんじゃないですかね。この2人のタッグがまた観られることを期待します。



(C)2015「グラスホッパー」製作委員会



【2015年度 Myランキング】(11/8時点)

 本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
 残業続きだな。


(ベスト)… ★★★☆以上が基準

  1位:マッドマックス 怒りのデス・ロード ★★★★☆
  2位:チャッピー ★★★★
  3位:フォックスキャッチャー ★★★★
  4位:ピッチ・パーフェクト2 ★★★★
  5位:映画 ビリギャル ★★★★
  6位:バクマン。 ★★★★
  7位:野火 ★★★★
  8位:アゲイン 28年目の甲子園 ★★★★
  9位:セッション ★★★★
 10位:プリデスティネーション ★★★★
  次点:キングスマン ★★★☆
     ジョン・ウィック ★★★☆ 
     KANO 1931海の向こうの甲子園 ★★★☆


(ワースト)… ★★☆以下が基準

  1位:極道大戦争 ★
  2位:ストレイヤーズ・クロニクル ★☆
  3位:進撃の巨人 ATTACK ON TITAN ★★


<その他ランク外一覧>
96時間 レクイエムシン・シティ 復讐の女神神様はバリにいるバンクーバーの朝日激戦 ハート・オブ・ファイトビッグ・アイズジョーカー・ゲームREC/レック4 ワールドエンドANNIE アニーミュータント・タートルズデッドハングマッハ!無限大アメリカン・スナイパーソロモンの偽証 前篇・事件AFFLICTED アフリクテッドシェフ 三ツ星フードトラック始めました余命90分の男ハネムーンイミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密エイプリルフールズジュピターソロモンの偽証 後篇・裁判バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)ワイルド・スピード SKY MISSION寄生獣 完結編ザ・トライブ龍三と七人の子分たちシンデレラマッド・ナースラン・オールナイトZアイランドイニシエーション・ラブメイズ・ランナー新宿スワン予告犯ピッチ・パーフェクトインド・オブ・ザ・デッドトゥモローランドラブ&ピースマエストロ!アナベル 死霊館の人形アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロンターミネーター:新起動<ジェニシス>バケモノの子リアル鬼ごっこスペシャルID 特殊身分HEROゴッド・ギャンブラー レジェンドジュラシック・ワールドミッション:インポッシブル ローグ・ネイション幕が上がるナイトクローラー死霊高校テッド2ワイルドカードムカデ人間3やるっきゃ騎士〈ナイト〉くちびるに歌を映画 みんな!エスパーだよ!さよなら歌舞伎町ピクセルおみおくりの作法進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールドピエロがお前を嘲笑う天空の蜂リベンジ・オブ・ザ・グリーン・ドラゴンGONIN サーガアントマン新選組オブ・ザ・デッドカリフォルニア・ダウン7500心が叫びたがってるんだ。カンフー・ジャングルカイト KITEJIMI:栄光への軌跡ギャラクシー街道ドラゴンボールZ 復活の「F」映画 暗殺教室俺物語!!探検隊の栄光シグナルグラスホッパー






『グラスホッパー』公式サイトはこちら


グラスホッパー コミック 1-3巻セット (KADOKAWA CHARGE COMICS )Image may be NSFW.
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