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「ヘイトフル・エイト」 ★★★☆~タランティーノ節炸裂の大長編会話劇

※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
 これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2016』の掲載にあたって」



タランティーノ節炸裂の大長編会話劇

★★★☆


(C)Copyright MMXV Visiona Romantica, Inc. All rights reserved.



(2015年/アメリカ/168分/The Hateful Eight)

【 脚本・監督 】
クエンティン・タランティーノ

【 音楽 】
エンニオ・モリコーネ

【 出演 】
サミュエル・L・ジャクソン
カート・ラッセル
ジェニファー・ジェイソン・リー
ウォルトン・ゴギンズ
デミアン・ビチル
ティム・ロス
マイケル・マドセン
ブルース・ダーン




【あらすじ】

 どこまでも続く白銀の世界。
 レッドロックへ向かう途中の賞金稼ぎマーキス・ウォーレンは、同じく賞金稼ぎのジョン・ルースと彼が連行するデイジー・ドメルグが乗る駅馬車に乗り込むが、迫り来る猛吹雪から避難するため、彼らは“ミニーの紳士服飾店”に避難する。
 店内には絞首刑執行人オズワルド・モブレーらがすでに避難しており、一夜を8人で過ごすことになるが、コーヒーを飲んだ2名が突如として激しく苦しみ息絶える―


【コメント】

 さて、2016年最初の要注目作品。タラちゃんことクエンティン・タランティーノ監督待望の最新作ということで、非常に楽しみにしていた本作。
 前作『ジャンゴ 繋がれざる者』から引き続いての西部劇ということで、西部劇が苦手な僕でも面白かったタランティーノ流ウエスタンなので、さっそく夜の映画館「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。



(C)Copyright MMXV Visiona Romantica, Inc. All rights reserved.



タランティーノ節炸裂の大長編会話劇

 いやいや、前作に続き上映時間168分という大長編ながら、飽きることなくグイグイと引き込んでいく不思議な魅力。さすがタランティーノ節炸裂といったところ、面白かったです!
 本作は“西部劇”“ミステリー”といった体を取ってはいますが、蓋を開けてみればとにかく会話、会話、会話の連続。大きな動きはクライマックスまでほぼ皆無。ならず者たちの会話劇といっても過言ではないでしょう。それくらい会話量がハンパない。でも、そこはタランティーノ、あれだけの会話もなぜか引き込まれてしまう魅力があって、中弛みすることなく約3時間一気に見せてくれます。
 もっとも、見せ場らしい見せ場はクライマックスまで皆無だし、西部劇をリスペクトしてやまないタランティーノ作品だから、観る人を選ぶ映画であることは確か。かなりクセがある映画ですが、ハマれば十分に見応えアリでしょう。


魅力的なクセモノ揃いのキャラクターたち

 本作に登場するならず者たちのキャラ設定もとにかくクセモノ揃い。
 サミュエル・L・ジャクソン演じるニガー黒人の賞金稼ぎはもちろんのこと、カート・ラッセルの粗悪な賞金稼ぎも最高。そしてなんといっても、ジェニファー・ジェイソン・リー演じるデイジーのアバズレっぷりには感服の一言。男にボッコボコに殴られて鼻血まみれになりながらも反抗的な態度を崩さない粗悪っぷりは清々しささえ感じられますね。
 本作のMVPは彼女と言っても過言ではありません。男たちのキャラを完全に食っちゃってましたから。


音楽はマカロニウエスタンの巨匠エンリオ・モリコーネ

 映画が始まったオープニングタイトルからして、タランティーノの過去の西部劇へのリスペクトが感じられる作りとなっていてワクワクするんですが、本作の魅力は西部劇、特にマカロニウエスタン好きにはたまらない巨匠エンリオ・モリコーネが、本作のために楽曲を作ったところでしょう。
 これまで、タランティーノ映画の音楽は既成音楽を使っていて、映画のために音楽は作っていなかったのですが、本作のためにモリコーネ御大が動いてくれたということは、タランティーノとしては感極まりないことでしょう。
 御年87歳でありながら未だ精力的に音楽活動を続けているようで、映画音楽には欠かせない音楽家のひとりですね。


“密室ミステリー”として観るには?な感じ

 日本公開での宣伝文句は「タランティーノが仕掛ける[密室]ミステリー」とあり、本編での展開も後半に待ち受けている毒殺事件から「犯人は誰だ!?」的な展開にはなるんですが、ぶっちゃけ本格推理的な展開を期待すると肩透かしを食らうかもしれませんね。
 先にも言ったとおり、本作の魅力はミステリーを楽しむよりも、個性溢れるキャラたちの無駄?な会話劇とそのキャラのクセモノっぷりを楽しむものだと思います。
 西部劇好きやタランティーノ好きならば、ミステリー要素が弱くても十分に楽しめる作品でしょう。


タランティーノ、次回作はいよいよ『キル・ビル3』着手か!?

 そんなタランティーノの次回作、正式ではないもの、今年初めにこんな情報がありました。

【朗報】映画「キルビル3」ほぼ公開決定 / タランティーノ自身が激白「すでに主演女優のユマには話した」
http://buzz-plus.com/article/2016/01/04/kill-bill-3/

 あの「キル・ビル」シリーズの最新作に着手する可能性があるとのことで、Vol.2完成後にもダリル・ハンナ自身の口からそんな噂はありました。
 ここへきて、タランティーノ作品の中で僕が最も好きなこの作品に着手してくれるということは胸の高鳴りが止まらないわけです。
 ぜひとも『キル・ビル3』の完成、実現してほしいです!



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【2016年度 Myランキング】(2/27時点)

 本作は、本年度のベスト10中3位(暫定)にランクイン。
 気管が荒れてました。


(ベスト)… ★★★☆以上が基準

  1位:オデッセイ ★★★★
  2位:さらば あぶない刑事 ★★★★(思い出補正あり)
  3位:ヘイトフル・エイト ★★★☆
  4位:
  5位:
  6位:
  7位:
  8位:
  9位:
 10位:
  次点:
     
     


(ワースト)… ★★☆以下が基準

  1位:X-ミッション ★★☆
  2位:信長協奏曲 ★★☆
  3位:


<その他ランク外一覧>
ブリッジ・オブ・スパイザ・ウォーク残穢-住んではいけない部屋-白鯨との闘いスティーブ・ジョブズドラゴン・ブレイドゾンビスクール!






『ヘイトフル・エイト』公式サイトはこちら




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