「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
ハチャメチャで弾けまくりのバカ映画
★★★☆
(2016年/日本/125分)
【 脚本・監督 】
宮藤官九郎
【 出演 】
長瀬智也
神木隆之介
尾野真千子
森川葵
桐谷健太
清野菜名
古舘寛治
皆川猿時
古田新太
宮沢りえ
【あらすじ】
高校生・大助は、修学旅行中にバスの転落事故で他界してしまう。しかし、目が覚めるとそこは地獄だった。
思いを寄せるクラスメイトのひろ美に告白できないままキスもできず、しかも地獄行きになってしまった自分を受け入れられない大助。しかし、えんま様の採決によって転生できるチャンスがあることを知り、地獄で出会った地獄専属ロックバンド“地獄図(ヘルズ)”のギター&ヴォーカルである赤鬼のキラーKのもう特訓により転生をするのだが―
【コメント】
さて、もともと2月に公開されるはずが、直前のバス事故により延期を余儀なくされた本作。数か月のブランクを経てやっとこさの劇場公開であります。
宮藤官九郎、久々の脚本・監督作品とあって、もともと予告編からちょっと楽しみにしていた映画だったので、公開早々に「立川シネマシティ」にて鑑賞した次第です。ブランクが空いてもなかなかの大入りでしたね。
最初から最後までハチャメチャで弾けまくりのバカ映画
いやいや、さすがの宮藤官九郎映画。ハチャメチャで最初から最後まで暴走しっぱなし。わけ分かんない展開ながら、大いに笑わせて時にほろっとさせるニクイ演出。あくが強くて濃ゆいながら、十分に楽しめるおバカ映画でしたね!
とにかく、しょっぱなからハイテンションで攻めてくるので、最初のほうこそ着いていくのに大変なんですが、慣れてくれば劇場内は爆笑に次ぐ爆笑の連続で、さすがツボを心得ています。クライマックスのバンドバトルは、もう何やってるのか分からないほどメチャクチャで弾けまくってます。
ちょっと映画としては長すぎだった気もしますが、それでも大いに笑わせてくれてお腹いっぱいになれる映画でした。
豪華キャストが繰り出す濃ゆいキャラ達
展開も濃ゆければ、豪華キャストが繰り出すキャラも濃ゆい濃ゆい。
長瀬のキラーKをはじめとしたドラムCOZYの桐谷健太とベース邪子の清野菜名のバンドメンバーのキャラもさることながら、えんまの古田新太や仏の荒川良々、じゅんこの皆川猿時、人間役であるはずの尾野“ボンジョビ”真千子までもが濃ゆい。しかも“がまん汁”という大役で一瞬だけ登場する中村獅童も確かな爪痕を残すインパクト。出演者の誰もがインパクト大の濃ゆい面々で、これまたお腹いっぱいです。
個人的には、邪子ちゃんが赤鬼ながら可愛らしくてお気に入りです。
ロックファンなら見逃せないミュージシャン達
豪華キャストはなにも俳優陣だけじゃない。ロックファンならば絶対に食いつくであろう豪華ミュージシャン達の登場も見逃せないシーン。
ギターバトルを繰り広げる御大Charと野村のよっちゃん、クライマックスでギターテクをこれでもかと披露するマーティ・フリードマンとROLLY。ギターを趣味に持つ僕としては、よっちゃんとマーティのギターテクに惚れ惚れしちゃいましたね。
その他にも憂歌団の木村充揮のブルージーな歌声やシシド・カフカのドラム、清の超絶ベーステクが堪能できたりと、楽器隊の見どころもあって最高でしたね。
僕としては、クライマックスの楽器バトルは、殴り合いとかじゃなくテクニックをもっともっと見せてもらいたかったところです。
個人的には、もっとマニアックな方向でもOK
豪華ミュージシャンの登場しかり、本作の小ネタとしてオジー・オズボーンやらスティーヴィー・レイ・ヴォーンやらの名前が登場したり、地獄の“Hコード”のようなギターネタもあったりと、いわゆるHR/HM系の音楽やギターなどの楽器をしている人から見ればニヤリとする場面が多いのも本作の見どころ。
個人的には、もっとマニアックな方向に行ってもらっても全然OKでしたね。まあ、全国公開なんで、あまりマニアックな方向に突き進むには難しいでしょうけど。
続編はないだろうけど、やっぱり地獄図(ヘルズ)の今後が観たい!
そんなわけで、十二分に大笑いさせてくれた官九郎節炸裂の超絶おバカ映画でした。
パンフレットを拝見するに官九郎自身はヘヴィメタルという音楽にさほど愛着がないようなので、さすがに続編はないかな~とあきらめていますが、個人的には期待したい。あの地獄バンドの面々をまた拝みたいという気持ちにさせてくれるような映画です。
そして、地獄の“Hコード”でもって、またまた地獄をメタルの音一色に染めてほしいとひそかに思っています。官九郎監督、期待して待ってます!
【2016年度 Myランキング】(6/26時点)
本作は、本年度のベスト10中8位(暫定)にランクイン。
仕事テンパり中。
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
1位:シビル・ウォー キャプテン・アメリカ ★★★★
2位:オデッセイ ★★★★
3位:アイ アム ア ヒーロー ★★★★
4位:エクス・マキナ ★★★★
5位:マジカル・ガール ★★★★
6位:HK 変態仮面 アブノーマル・クライシス ★★★★
7位:さらば あぶない刑事 ★★★★(思い出補正あり)
8位:TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ ★★★☆
9位:デッドプール ★★★☆
10位:ボーダーライン ★★★☆
次点:ヘイトフル・エイト ★★★☆
血まみれスケバンチェーンソー ★★★☆
殿、利息でござる! ★★★☆
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:セーラー服と機関銃 -卒業- ★★
2位:X-ミッション ★★☆
3位:信長協奏曲 ★★☆
<その他ランク外一覧>
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