「血まみれスケバンチェーンソー」　★★★☆～だーりおが最高に輝いている映画

※※※　注意　※※※
　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2016』の掲載にあたって」

だーりおが最高に輝いている映画

★★★☆

【あらすじ】

　解体屋でスケバンの鋸村ギーコは、追試のために学校に向かうが、その途中で同級生・碧井ネロによって改造人間となった生徒たちに襲われる。
　自前のチェーンソーで改造人間たちをなぎ倒すギーコだが、ネロの刺客が次々と襲いかかってくる。
　果たしてネロの狙いとは。そしてギーコの戦いの行く末は―

【コメント】

　ここ最近仕事が忙しなくなり、久しぶりの夜勤という名の休日出勤を言い渡され、恒例の映画館での鑑賞が出来なくなったわけですが、それでも映画は観たい！ということで、TSUTAYAの新作コーナーを物色したところ「うお！これは！」とソッコーで手に取ったのが本作。
　本作は、公開時に劇場で観ようか、舞台挨拶までいっちゃおうかとまで考えていた代物で、結局観ずに終わってしまったのですが、めでたくDVD化ということでこれは観なきゃ話にならんと、夜勤明けの眠さもそっちのけで鑑賞した次第です。

(C)2016 三家本礼・KADOKAWA刊／VAP

B級だからどうした！見どころは“だーりお”なんだ！

　誤解の内容に感想を書きますが、ぶっちゃけて言っちゃうとチープなB級映画です。Vシネレベルといえば分かりやすいかも。とことんまでお金がかかってないチープさもさることながら、お話も雑。ほんとに安物のB級映画です。
　だけども、本作の見どころは主役・内田“だーりお”理央なんです！彼女がいるからこそ本作は只者じゃない映画に昇華されているんです。とにかく内田理央という女優が最高に輝いている映画なんです。
　とにかくですね、だーりおの無頼派スケバンは様になっているし、ふんどしをちらつかせながらチェーンソーを振り回す雄姿は観てて痛快。ラストで見せる女の子らしい仕草もこれまた可愛らしくて、内田理央の魅力がギュッと詰まった最高のスプラッターアクションだったと僕は評価したいですね。

チープなB級・・・とはいえ所々で垣間見せる良いシーン

　チープなB級なんて悪口になっちゃいますが、オープニングの海が見える山道をギーコが自転車で疾走するシーンのように、所々で「おっ」と思わせる良いシーンがあったりします。
　ギーコが忍者部の部員に説教するシーンなんかも、「ヲタクが笑われるのは、それだけ一生懸命になっているということだ！もっと自信を持て！」となかなか良いこと言ってたりします。
　バージョンアップしたチェーンソーで改造人間をなぎ倒すシーンなんかも痛快なシーンで、全体的に先に観た井口昇監督『片腕マシンガール』に通じる爆発力を秘めた映画でしたね。カルト的な映画に認定してもいいくらいです。

女優・だーりおのこれからの活躍に大いに期待！

　そんなわけで、本作はだーりおの、だーりおによる、だーりおのための映画といっても言っていいくらい魅力が詰まった最高のB級だと僕は感じました。
　最近はバラエティ番組なんかでも内田理央を見かける機会が増えてきましたし、本作がある意味転機になったのかも知れません。
　だけども、バラエティよりも僕はもっと女優としての彼女の活躍をもっと観たいなと思います。個人的には『血まみれスケバンチェーンソー２』を製作してもらいたいところですが、彼女の魅力をもっともっと引き出してもらいたいと思う今日この頃です。