「GANTZ:O」　★★★☆～日本のCGアニメの将来を決定付けた佳作

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2016』の掲載にあたって」

日本のCGアニメの将来を決定付けた佳作★★★☆

(C)奥浩哉／集英社・「GANTZ:O」製作委員会 （2016年／日本／96分）【　総監督　】さとうけいいち 【　監督　】川村泰【　原作　】奥浩哉

GANTZ コミック全37巻完結セット (ヤングジャンプコミックス)

24,109円

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【　声の出演　】小野大輔M・A・O郭智博早見沙織池田秀一ケンドーコバヤシレイザーラモンHGレイザーラモンRG津嘉山正種

【あらすじ】

　両親を亡くし弟と二人で暮らす高校生の加藤勝は、自宅の帰り道の地下鉄で事件に巻き込まれ命を落とす。

　しかし、目覚めた彼はマンションの一室にいた。彼は、宇宙人と戦う戦士として命がけのサバイバルゲームに挑むことになる。

　彼と、マンションにいた西ら４人とともに、大阪の街で妖怪型の星人集団と戦うことになるが、そこで曲者揃いの大阪チームとの遭遇、訳の分からぬまま命がけの闘いに身を投じることになる―

【コメント】

　さて、今回は僕が普段あまり手を付けない日本のCGアニメーションを鑑賞。まあ、CGアニメ自体はディズニー系でよく観るんですが、こういった漫画原作のものはあまり手を付けていなかったわけです。

　本作の原作である「GANTZ」は未読ではありますが、数年前の実写版を観ているしTVアニメ版も観ているので、面白そうだし本作も劇場で観てみようと夜の「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。

(C)奥浩哉／集英社・「GANTZ:O」製作委員会

日本のCGアニメの将来を決定付けた佳作

　うおーこりゃー面白えーぞー！今後の日本のCGアニメの将来を決定付けた佳作といってもいいでしょう。とにかくCGの完成度が高くて、実写かと思わせるくらいの綿密で迫力満点の映像にすっかり魅了されちゃいましたね！

　先に言ったとおり僕は原作未読なので、大阪編なるストーリーの完成度の有無は何とも言えません。おそらくは１時間半にまとめるためにいろんなエピソードやキャラを省略しているだろうし、原作設定が分からない人が観ると？？？な部分はあると思います。７回１００点取ったという伝説の戦士・岡八郎なんか、ちょっと登場してすぐ死んじゃいましたからね。しかしながら、それをチャラにするくらい映像にこだわりがみられて見応えたっぷり。

　CGアニメはピクサーのような老若男女が観られる可愛らしくてファンタジックなものが独占していますが、本作のようなエグイものを題材としたCGアニメは、ある意味漫画大国である意味日本ならではなんじゃないでしょうか。本作をきっかけに、いろんな漫画がCGアニメ化されていけばいいですね。願わくば、本作のクオリティを維持しつつ「GANTZ」シリーズをリブートして、最初から製作してくれないかなと思います。

レイザーラモンの吹替えが秀逸！一方ケンコバは・・・

　本作は大阪編ということで、吹替えにはレイザーラモンの二人とケンコバことケンドーコバヤシが参加していますが、レイザーラモンの二人は想像以上の迫力ある吹替えでびっくりしましたね。個人的にはRGの声が恐ろしいほどにドスが効いてて見事にハマってたと思います。願わくばもっと声を聴きたかったくらい。

　それに対して、ケンコバは・・・まんまケンコバでしたね。これはミスキャスト。岡八郎という伝説の戦士でありながら、話すと真っ先にケンコバの顔が目に浮かぶ。全然ハマっていなかったかな。特徴的すぎるんだよね。

　ともあれレイザーラモン、特にRGの声は、今後声優としてもいけそうな予感がします。

主題歌はドレスコーズ「人間ビデオ」

　本作のエンドロールでもかかる主題歌はドレスコーズの「人間ビデオ」。なかなかに世界観がマッチしています。