「帝一の國」　★★★★～こりゃ面白い！痛快青春選挙コメディ！！

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2017』の掲載にあたって」

こりゃ面白い！痛快青春選挙コメディ！！★★★★Image may be NSFW.
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帝一の國コミック 1-14巻セット (ジャンプコミックス)

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【　出演　】菅田将暉野村周平竹内涼真間宮祥太朗志尊淳千葉雄大永野芽郁鈴木勝大萩原利久岡山天音井之脇海木村了榎木孝明吉田鋼太郎

【あらすじ】

　全国屈指の優秀な学生800人が通う日本一の名門校・海帝高校。政財界に強いコネを持つ海帝高校は、生徒会長になれば将来の内閣入りが確約されると言われていた。

　4月、生徒会長になることを目論む新入生・赤場帝一は、どんな手を使ってでもライバルを全員蹴落とし生徒会長になる野望を持ち、そのためには1年生の時の行動が全てを決定すると読み、2年生の生徒会長選挙で暗躍する。

　しかし、同じく生徒会長の座を狙う1年生の暗躍により、戦略と裏切りの想像を絶する試練が帝一を待ち構えていた―

【コメント】

　漫画の実写映画化が著しい昨今の邦画界ですが、前々から予告を観ていた本作もそのひとつ。

　とんと漫画を読まなくなった僕なので、本作の原作ももちろん未読。だけど、ちょっと面白そうだなという興味もあって、いつもの「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。

　しかしながら観客はほぼ中高生の若人たち。これはチョイスミスしたかなーと感じつつも鑑賞しました。

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こりゃ面白い！痛快青春選挙コメディ！！

　面白い！こりゃメチャクチャ面白いぞ！！！バカバカしさ満開ながらも最初から最後まで駆け巡るようなテンポで見せてくれる痛快青春選挙コメディでしたね！最近なにかと胸キュンものが流行っている昨今で、かなりハイレベルな邦画青春ものだったと思いますよ。

　ストーリーは、生徒会という名のいわば派閥抗争を描いたもので、自分が近い将来に生徒会長になるべく、次期生徒会長候補のどの派閥に就くべきか、その裏では熾烈な情報戦と駆け引き、賄賂や裏切りが繰り広げられる。単なる生徒会長選挙を延々と描いているだけなのに、その展開が実に面白い！

　学園ものと侮るなかれ、本作で描かれる駆け引きは現代の政治や企業でも同じことをやっているわけで、はたから見れば滑稽なものでも当の本人たちは出世のために人生を懸けている。本作のハイライトのひとつであるテストの点数比べのシーン、一番の笑いどころであるわけですが、実はエリートであればあるほどああいったどうでもいいことに競争心を持ってたりするわけです。

　本作で言いたいことはまさに“政治”という滑稽さを描いているんじゃないかとも思いましたね。いやあ、実に見応えがあった青春映画でした。

一癖も二癖もあるキャラたちのオンパレード

　ストーリーが面白いのは言わずもがな、本作を面白くしているのは一癖も二癖もあるキャラたちのオンパレードにもありますね。

　青春映画でありながら、それによくいるキャラというのは大鷹弾ただひとり。他は知力に長けた野望を持ったヘンテコリンなやつばかり。主人公の赤羽帝一しかり、姑息で下劣な東郷菊馬、まるでナンバーワンホストのいで立ちの氷室ローランド、天才的な頭脳を持つ森園億人。クセ満載の彼らが、エリートという名のバカ行動を繰り返して笑いが止まらない。

　原作がどんなキャラで描かれているのかは未読の僕には判断できかねますが、これだけ若手の役者さんたちが演じ切ってくれれば原作ファンも納得なんじゃないでしょうか。それくらい本作の出演者は輝いていたと僕は感じます。

やはり続編は期待薄か？でもやっぱりもう一度観たい！

　そんなわけで、おそらくは原作ファンも納得であろう完成度を誇る本作でしたが、個人的には今一度彼らの雄姿？を観たい気持ちでいっぱいです。これだけ面白い映画を見せてくれれば当然です。

　というか、僕はてっきり続編ありきで、本作では2年生の生徒会長選で終わるもんだと思っていたんですが、最後の最後で帝一の生徒会長選までやっちゃったもんだから、続編は期待が薄いかなーと。非常にもったいない！この完成度なら続編絶対いけましたって！

　おそらく原作をひととおりやっちゃったんでしょうから、続編があったとしてもオリジナル脚本もしくは原作者の書下ろしということになりますね。そうなるとちょっと本作よりも落ちちゃうかなー

　いやでも、もう一度エリートたちのしたたかながらも滑稽な政治戦、観てみたいですね！