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「孤狼の血」 ★★★★☆~東映が本気を出したバイオレンスの大傑作!!!

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※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

 これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2018』の掲載にあたって」

 
東映が本気を出したバイオレンスの大傑作!!!
★★★★☆
(C)2018「孤狼の血」製作委員会
 
(2018年/日本/126分
 
【 監督 】
白石和彌
 
【 原作 】
柚月裕子

 

【 出演 】
役所広司
松坂桃李
真木よう子
滝藤賢一
音尾琢真
駿河太郎
中村倫也
中村獅童
矢島健一
田口トモロヲ
ピエール瀧
石橋蓮司
江口洋介
竹野内豊
阿部純子
嶋田久作
伊吹吾郎
 

 

【あらすじ】

 
 暴力団対策法成立直前昭和63年、広島県・呉原市。
 呉原市では、広島の巨大組織・五十子会系の加古村組と暴力団・尾谷組との抗争の火種が燻り始めていた。
 ある時、加古村組系列の金融会社社員が失踪、違法捜査もいとわないマル暴の暴力刑事・大上は、新人刑事の日岡とともに、事件の捜査に踏み出すが、一方でヤクザ同士の抗争が日に日に増していき、沈静化にも奔走する。
 この事件を機に、ヤクザの血で血を洗う抗争、警察組織の目論み、そして大上の過去が明らかになっていく―
 

 

【コメント】

 
 さて、今回は前々から非常に楽しみにしていたヤクザバイオレンスでる本作を鑑賞。これは前々から劇場の予告編で観てて、これは期待できるぞと非常に楽しみにしていたわけです。
 なんてったって、往年のヤクザ映画の代名詞である東映が製作、しかもR15+指定、そしてなんといってもあの2013年の犯罪映画『凶悪』から一気に名を轟かせた白石和彌が監督とあって、これでハズレのわけがない!と感じ取り、さっそく「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。
 往年の東映ヤクザ映画の復活とあって、観客の年齢層は非常に高め、しかし思った以上に席が埋まってましたな。
 

 

(C)2018「孤狼の血」製作委員会
 
 
東映が本気を出したバイオレンスの大傑作!!!
 
 やべぇ・・・これはやべぇぞ!とんでもない映画が誕生しやがった!!!もはや時代遅れ、死に体のジャンルと化してしまったヤクザバイオレンス映画に、平成も終わろうとする今、とんでもない大傑作が誕生しました!!!最高です!!!
 本作は同名の小説(柚月裕子という同じ岩手県出身)の映画化で、そもそもの原作がかつての東映ヤクザバイオレンス映画「仁義なき戦い」シリーズや『県警対組織暴力』にインスパイアされた小説なわけですが、近年東宝に押されっぱなしでパッとしなかった東映が往年のテイストを注ぎ込んだ、まさに東映の本気を見せつけた作品でしたね。
 オープニングの養豚場からいきなりオエッときてしまうエグイシーンで、これだけでもただものじゃない感が伝わってくる。この養豚場、本作ではキーワード的な場所になっていて、クライマックスに繋がってくる見せ方がすごい。
 本編はまさに往年の名作『県警対組織暴力』を彷彿とさせるもので、はみだし刑事の活躍と血で血を洗うヤクザ同士の抗争、そして警察といういちばんのアンタッチャブルを絡めつつ、怒涛の展開を見せる。クライマックスの展開はとにかく鳥肌モノ。菅原文太や松方弘樹など往年の東映ヤクザ映画を観てきた人はもちろん、平成生まれの若者でも興奮すること間違いなしの傑作バイオレンスに仕上がってました。注意点としては、要所要所にエグイシーンが挿入されているので、グロ耐性のない人は気を付けたほうが良いですね。
 昨今のコンプライアンスやら忖度なんて度外視、東映の本気をまざまざ見せつけてくれました。正義とは何ぞや、コンプライアンスや忖度なんぞで本当に人は幸せになるのか、そんなメッセージが伝わってきた気がします。
 
 
役所広司と松坂桃李の大熱演
 
 本作はまさに往年の東映ヤクザ映画へのオマージュともいうべき大傑作ですが、本作に出演している役者陣も最高に良い仕事をしていましたね。なんといっても主人公・大上役を演じた役所広司、そして新米刑事・日岡役の松坂桃李、このふたりの大熱演があってこその作品でしょう。
 役所広司は言わずもがな、どんな映画でも役になりきった完璧な演技をしていますが、本作のがさつで暴力的で哀愁があって、だけど実は堅気を守るために大上なりのブレない正義を胸に秘めていて最高にカッコイイ。この姿にいつしか感情移入してしまうからこそ、クライマックスの大上の非業の最期に胸が締め付けられてしまう。
 そして松坂桃李、もう彼は爽やかな若手俳優から一気に一皮むけましたね。実直で真面目な若者というイメージがピッタリですが、彼のブチ切れクライマックスは実に爽快。大上が持つ“孤狼の血”を見事に受け継いだ演技を見せていましたね。
 他にも江口洋介、竹野内豊、中村倫也、音尾琢真の熱演も見事の一言。阿部純子の小悪魔ぶりも良かったなー。石橋蓮司のドシッとした貫禄の演技もさすが。とにかく一人一人の役者が本作に全力を注いでいるのがよく分かります。
 来年の日本アカデミー賞が非常に楽しみですね。
 
 
「孤狼の血」と「アウトレイジ」の比較
 
 「これは『アウトレイジ』に対する東映の答えだ!」とは、本作に対する古舘伊知郎の感想で宣伝文句でもありますね。確かに両作ともヤクザを主軸にしたバイオレンス映画ではありますが、そもそも『アウトレイジ』がヤクザ目線であるのに対し、本作はあくまでも警察の視点からのヤクザなのでアプローチが全然違います。
 『アウトレイジ』シリーズは北野武の色が前面に出た作品で、それぞれのキャラの深堀、いわゆるドラマ性を一切排除した表面的で非常にドライな作りであるのに対し、本作の原作は、もともと『仁義なき戦い』『県警対組織暴力』をベースにしているわけで、それぞれのキャラのドラマ性があるので非常にウェットな作りなんですね。見どころのバイオレンスにしても『アウトレイジ』はドライなので後を引かない、本作はウェットなのでけっこう後を引きます。なので、ドラマ性を鑑みれば断然本作のほうが観てて面白い。ただ、キャラクター的に見ると、断然映えるのは『アウトレイジ』、こっちのキャラクターのほうが観てて面白いですね。
 まあ僕的には比較自体がナンセンスだと思いますが、なんだかんだ比較したところで両作が平成ヤクザ映画の傑作、ひいてはヤクザ映画の歴史に名を残す大傑作であることに変わりはありませんね。
 
 
(C)2018「孤狼の血」製作委員会
 
 

【2018年度 Myランキング】(5/13時点)

 

 本作は、本年度のベスト10中1位(暫定)にランクイン。

 雨降りが多いな。

 

(ベスト)… ★★★☆以上が基準

 

  1位:孤狼の血 ★★★★☆

  2位:アベンジャーズ インフィニティ・ウォー ★★★★☆

  3位:シェイプ・オブ・ウォーター ★★★☆

  4位:いぬやしき ★★★☆

  5位:リメンバー・ミー ★★★☆

  6位:悪女 AKUJO ★★★☆

  7位:グレイテスト・ショーマン ★★★☆

  8位:レディ・プレイヤー1 ★★★☆

  9位:

 10位:

  次点:

     

     

     

     

  (ワースト)… ★★☆以下が基準

 

  1位:マンハント ★★☆

  2位:パシフィック・リム アップライジング ★★☆

  3位:マザー! ★★☆

 

 

<その他ランク外一覧>

キングスマン ゴールデン・サークルジオストーム咲 Saki 阿知賀編 episode of side-A祈りの幕が下りる時デトロイト羊の木スリー・ビルボードサニー/32今夜、ロマンス劇場でブラックパンサー15時17分、パリ行き去年の冬、きみと別れちはやふる-結び-トレイン・ミッションレッド・スパローダンガル きっと、つよくなるラプラスの魔女


 

『孤狼の血』の公式サイトはこちら

 

 

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