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「麻雀放浪記2020」★☆~白石和彌監督の“珍作”

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※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

 これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

『シネマ報告書2019』の掲載にあたって

 
白石和彌監督の“珍作”
★☆
(C)2019「麻雀放浪記2020」製作委員会
 
(2019年/日本/118分)
 

【 脚本・監督 】

白石和彌

 

【 原案 】

阿佐田哲也

 

【 出演 】
斎藤工
もも
ベッキー
的場浩司
岡崎体育
ピエール瀧
音尾琢真
矢島健一
堀内正美
小松政夫
竹中直人
 

 

【あらすじ】

 

 1945年の日本から2020年にタイムスリップしたギャンブラー・坊や哲。そこは、開催されるはずだった東京オリンピックは中止になり、AIが街にあふれた世界だった。

 そんな東京に戸惑う坊や哲は、ひょんなことから知り合った売れないアイドル・ドテ子の世話になることに。マネージャーのクソ丸に気に入られた哲は、彼のプロデューサーのもと、麻雀のプロとして一躍有名人になる。

 一方で、中止となった東京オリンピックの代わりに“麻雀五輪”を開催しようと坊や哲に白羽の矢を立て、AIとの戦いを計画するが―

 

 

【コメント】

 

 さて、今回は“何かと話題”の本作を鑑賞。“何かと話題”とは、言わずもがなピエール瀧のことですな。薬物事件で各方面が彼の映像に対する対応に追われている昨今、あえてシーンをカットせず公開に踏み切ったということで話題となってますね。

 とはいえ、前々から目をつけていた本作、ピエール瀧云々以前に、内容からすでに地雷臭を嗅ぎ取っていた映画ファンは少なくないはず。しかしながら、最近ノリにノッてる白石和彌監督ならば面白く作っているはずだという確信から、さっそくレイトの「新宿バルト9」に足を運んだ次第です。

 ピエール案件なのか、劇場館数が非常に少ない。しかも、新宿の映画館なのにガラガラという状況のなかで鑑賞しました。

 

(C)2019「麻雀放浪記2020」製作委員会

 

 うん、なるほど、こりゃダメだ。いろいろとブッ飛んでいて悪い意味でのツッコミどころが満載、悪い意味でのバカ映画。結局何をどうしたかったのか分からない。数々の傑作を生みだしてきた白石和彌監督のキャリアの中でも“珍作”と位置付けられる一品だと思います。個人的にはこの手のバカ映画は嫌いじゃないんですけどね、まあ、ネットの評価も散々だし、妥当な評価かと。

 

 言わずもがな、『麻雀放浪記』は1984年に公開された東映の名作として知られていますが、まず、主人公の坊や哲が2020年の未来にタイムスリップしてしまう、というそもそもの設定に非常に違和感を感じたわけですよ。純粋な麻雀映画だったものに何故わざわざSF要素を組み込んでしまったのか。

 おそらくは、現代の日本社会への痛烈な風刺を坊や哲を通して訴えたかったんでしょう。マイナンバーを使った監視社会、貧富の差が激しい格差社会、そんな世の中AIの技術が進み、ますます人間が不要になっていく世の中。「それでも俺は胸が熱くなる博打がしたい!それが俺の生きている証拠なんだ!」といった、どんな世の中になっても熱い心を持って生きろ、というメッセージが込められてるんだと思います。

 

 とはいえ、この手のバカ映画は、しっちゃかめっちゃかな設定なんて面白けりゃどうでもいいぜ!と忘れさせるくらいブッ飛んでないと難しい。破綻しまくったストーリーをクライマックスで一気に終息させる力量、それは例えば福田雄一監督や『片腕マシンガール』の井口昇監督のような力量が無いと、本作のように観るに堪えない映画に仕上がってしまう。いや、決して白石和彌監督がダメなわけじゃなく、この手の作品には向いてないだけ。白石監督には白石監督の得意分野があるわけで、それこそ『凶悪』や昨年の『孤狼の血』のようなバイオレンスなら右に出る監督は今いない。おそらく白石監督は理詰めで作っていく人なんだと思いますよ。理詰め系の監督にこの設定は厳しかったんじゃないかなと感じます。

 

(C)2019「麻雀放浪記2020」製作委員会

 

 いやしかし、内容はどうであれ本作の主人公・坊や哲を演じた斎藤工は本作の発起人なだけにふんどしになったりケツだしたり力演だったと思います。ヒロイン役のもも(チャラン・ポ・ランタン)もハスキーボイスのブス可愛い感じがGoodです。

 ちなみに、映画冒頭でお断りまで表示されていた件のピエール瀧ですが、本編に5分も登場していませんでした。

 

 

【2019年度 Myランキング】(4/6時点)

 

 本作は、本年度のワースト3中1位(暫定)にランクイン。

 祝・令和!

 

(ベスト)… ★★★☆以上が基準

 

  1位:運び屋 ★★★★

  2位:翔んで埼玉 ★★★★

  3位:クリード 炎の宿敵 ★★★★

  4位:七つの会議 ★★★☆

  5位:がっこうぐらし! ★★★☆

  6位:イップ・マン外伝 マスターZ ★★★☆

  7位:グリーンブック ★★★☆

  8位:スパイダーマン:スパイダーバース ★★★☆

  9位:

 10位:

  次点:

     

     

     

     

  (ワースト)… ★★☆以下が基準

 

  1位:麻雀放浪記2020 ★☆

  2位:十二人の死にたい子どもたち ★★☆

  3位:マスカレード・ホテル ★★☆

 

 

<その他ランク外一覧>

蜘蛛の巣を払う女ミスター・ガラスサスペリア劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズアクアマンファースト・マンアリータ バトル・エンジェルTHE GUILTY ギルティキャプテン・マーベルバンブルビーANON アノンダーク・スクールエリザベス∞エクスペリメント


 

『麻雀放浪記2020』の公式サイトはこちら

 

 

 

 

 

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