「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

恒松祐里
西田尚美
吉澤健
音尾琢真
リリー・フランキー
【あらすじ】
ギャンブル依存症の木野本郁男は、恋人の亜弓とその娘・美波と新たな人生を歩むため、亜弓の故郷・石巻に行く。
亜弓の近所に住む小野寺の紹介で印刷会社で働き始めた郁男。順風満帆なスタートを思われたが、同僚に誘われた競輪のノミ屋で再びギャンブルの血が騒ぎ、のめり込み始める。
ある日、美波が家出をしたことで亜弓と口論になり、ひとり美波を探しに行った亜弓は遺体となって発見された。
亜弓の死に責任を感じる郁男だったが、さらに会社のトラブルで仕事もクビになってしまい、郁男は自暴自棄になってゆく―
【コメント】
さて、今回鑑賞したのは、今最も旬な映画監督・白石和彌の最新作。しかも、元SMAP元ジャニーズの香取慎吾主演ということで話題の本作。
いろいろなしがらみがあるのか劇場館数が少ないのですが、白石監督と香取慎吾のコンビはちょっと観てみたいと感じ劇場に足を運んだ次第です。
なお、今回鑑賞した劇場は、立川にある高島屋に6/28に新たに完成した「kino cinema 高島屋S.C.館」。席が驚くほど少ないんですが、椅子がテーブル付きのソファ仕様になっていてめちゃくちゃ座り心地が良いです。
(C)2018「凪待ち」FILM PARTNERS
うむ、面白かった!ひとりのダメ人間の半生と先の東日本大震災をシンクロさせた「絶望と再生」の物語、白石監督らしく登場人物はとんでもなくエグイ連中が揃っているし、展開もこれまたなかなかにエグイ。だけどそれがさらに物語にのめり込ませていく要素になっていて、片時も目を離せないヒューマンドラマでしたね。
宣伝文句にもなっている犯人は誰だ?的な要素は、本作ではそれほど重要ではなく、むしろ香取慎吾演じる主人公・郁男が、こいつはどこまでクズなんだ、一体どこまで堕ちていくんだ、といったところに集中します。止めようと思っても止められないギャンブル依存症の恐ろしさと、郁男を誘惑する周りの人間たち。類友、クズな人間にはクズしか集まってこないという典型が本作には詰まっていて、面白いくらいに郁男のダメっぷりが展開されていきます。でも、こういう人間って意外といるんですよね~
ただ単に郁男の堕落っぷりを楽しむ作品ではなく、先にも書いたとおり本作の主軸は「絶望と再生」。亜弓の父親が言ったセリフ「海は街を壊していった。だけどそれでまた、海が新しくなる」が、まさに本作を象徴する言葉だったと僕は感じます。東日本大震災ですべてを失った街が再生したように、郁男もまた身も心もズタボロになりすべてを失った先に新たな一歩を踏み始める。本作を通じた白石監督なりの被災地へのエールだと思いますね。
(C)2018「凪待ち」FILM PARTNERS
そんなわけで、本作は元ジャニーズという肩書を払拭させる役者・香取慎吾の新機軸と言える作品だったと思います。まだまだ演技としてはたどたどしさがあるものの、ジャニーズ事務所では演じることができなかった役を演じられることは、香取慎吾の今後の活動に更なる幅を持たせることになる転機となる作品ではないかと思います。
【2019年度 Myランキング】(6/30時点)
本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
無駄遣いは控えよう。
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
3位:運び屋 ★★★★
4位:翔んで埼玉 ★★★★
7位:七つの会議 ★★★☆
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:麻雀放浪記2020 ★☆
<その他ランク外一覧>
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