「記憶にございません！」 ★★★～三谷作品のピークは過ぎた

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2019』の掲載にあたって」

三谷作品のピークは過ぎた★★★

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（2019年／日本／127分） 【　脚本・監督　】三谷幸喜【　出演　】中井貴一ディーン・フジオカ石田ゆり子草刈正雄佐藤浩市小池栄子斉藤由貴木村佳乃吉田羊田中圭梶原善寺島進ROLLY

【あらすじ】

　演説中に石を投げられ記憶喪失になってしまった“史上最悪の総理大臣”と揶揄され国民の嫌われ者の黒田啓介。

　この事実を知られまいと、3人の秘書官は世間に公表せず内密に日々公務をこなしていく。記憶喪失前の傍若無人だった時と違い、弱腰だが心優しく変貌していた黒田総理。

　そんな折、アメリカから大統領が来日することになり、さらなる騒動が起きることに―

【コメント】

　さて、三連休の一発目は、2015年公開『ギャラクシー街道』から4年ぶりとなる三谷幸喜監督の待望の新作である本作を鑑賞。今回もフジテレビですかそうですか。テレビでもめちゃくちゃ番宣してましたね。

　いつも安定した笑いを提供してくれる安心の三谷作品なのですが、前作『ギャラクシー街道』がまさかのダダ滑り映画となってしまったため、本作がどうなっているのか一抹の不安を感じつつも、さっそく「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。しかし、ご年配の方々が多かったですな。

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　うん、可もなく不可もなく。少なくとも『ギャラクシー街道』よりそこそこ笑いはあったかなという印象。ドタバタなコメディに爽やかな感動ありの、いつもの王道な三谷印の映画、キャラも芸達者が揃っているので、力を抜いて楽しめる作品です。しかしながら、僕は本作を観て「あ～、三谷幸喜作品のピークは過ぎちゃったな～」という印象を受けましたね。なんだろう、先に観た矢口史靖監督『ダンスウィズミー』にも感じた、微妙に時代にマッチしなくなってきた時代遅れ感を本作にも感じてしまったんですね。

　もちろん映画自体は全然悪くないです。いささか強引でムチャな展開はあるものの、笑いどころもあるし、気持ち良いハッピーエンド。それぞれのキャラはとても立っていて、中井貴一をはじめとして、ディーン・フジオカや草刈正雄、佐藤浩市、小池栄子、吉田羊といったちゃんと演技ができる人たちを使っているので、作品自体は締まっている。もっとも政治に切り込んだコメディなんだから、もっと世相に踏み込んだ笑いを入れたほうが良かったと思いますけどね。これもフジテレビが大好きな忖度というやつなのか。

　だけどな～、全盛期だった『有頂天ホテル』『ザ・マジックアワー』『ステキな金縛り』といったキレの良い笑いがいまいち本作には無かったように感じます。かつて劇場を満席にして場内を大爆笑の渦に巻き込んだあの三谷作品はいったいどこへやら。三谷幸喜の神通力も陰りが見えてきてしまったのかと思うと、時代の流れを感じてしまいますな。

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　いや～しかし、総理の妻役で出演していた石田ゆり子姉さんは相変わらずお綺麗でしたな～。来年50歳になる女性とはとても思えません。僕は20代の時からゆり子姉さんを応援していましたからね。当時、妹の石田ひかりのほうが人気があったので、なかなか芽が出なかった時期もありましたけど、こうして今やっと前線で活躍しているのはほんとにうれしい限り。これからもお美しいままで頑張ってほしいです。

【2019年度 Myランキング】（9/14時点）

　本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。

　9月も半ばか早ぇーな。

（ベスト）…　★★★☆以上が基準

　　１位：アベンジャーズエンドゲーム　★★★★☆

　　２位：ゴジラキング・オブ・モンスターズ　★★★★☆

　　３位：運び屋　★★★★

　　４位：翔んで埼玉　★★★★

　　５位：ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド ★★★★

　　６位：クリード炎の宿敵　★★★★

　　７位：特捜部Q カルテ番号64　★★★☆

　　８位：七つの会議　★★★☆