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「バーニング 劇場版」 ★★★☆~若さゆえの“思い込み”の怖さ

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※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

 これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

『シネマ報告書2019』の掲載にあたって

 
若さゆえの“思い込み”の怖さ
★★★☆

(C)2018 PinehouseFilm Co., Ltd. All Rights Reserved

 

(2018年/韓国/148分/Burning)
 
【 監督 】
イ・チャンドン
 
【 原作 】
村上春樹

 

【 出演 】
ユ・アイン
スティーブ・ユァン
チョン・ジョンソ
 

 

【あらすじ】

 
 小説家を目指しアルバイトに明け暮れるジョンス。
 ある日、幼なじみのヘミと偶然再会し、そのまま男女の関係に。そしてジョンスは、アフリカ旅行で家を留守にする間、ネコの世話をしてほしいとヘミに頼まれる。
 半月後、帰国したヘミは、旅先で知り合ったという裕福な青年ベンを連れていた。それから3人で一緒に過ごすことが多くなるが、ヘミとベンの関係にジョンスは嫉妬の感情を抱く。
 ジョンスはベンから、ある“趣味”について打ち明けられる。その趣味とは、ビニールハウスを燃やすことだった。
 ベンは、どこかのビニールハウスを燃やすことを予告するが、それ以降ヘミは忽然と姿を消す―
 

 

【コメント】

 

 9月二度目の三連休。今回も行きつけのTSUTAYAで三連休に最適な映画を物色していたところ、手に取ったのが本作。前々からちょいと気になっていた韓国映画です。

 本作は、NHKで放送された短縮版?の全長版で、村上春樹の「納屋を焼く」を原作にした作品ということで、ぶっちゃけ村上春樹の小説は全然読んだことがありませんでしたが、カンヌ映画祭や米アカデミー賞でも話題になったということで劇場公開時気になって作品です。

 結局劇場での鑑賞はスルーしましたが、三連休を機会にレンタルしてみた次第です。

 

(C)2018 PinehouseFilm Co., Ltd. All Rights Reserved

 

 うーむ、こりゃまた難しい映画を観てしまった。暗く陰気な空気が漂った中で3人の男女が送る何でもない日常。そんななんでもない日常の中で現れる謎。謎が謎を呼び、特段の大きな事件が起こらないまま、結局謎のまま映画が終わる。いったい何を見せられたんだ?という疑問が湧きつつも、妙にインパクトが強い。いろいろと深読みさせてくれる一品でしたね。

 とにかく、148分という長尺の中、展開は理解できるものの謎めいた会話ばかりが続き、大した事件は起きない。起きた事件と言えばラスト、ジョンスがベンを殺害し、ベンを車ごと焼くシーンだけ。でもこれは単なる結果であって、これに至る過程が重要なわけです。

 

 結局これは何だったのかと、鑑賞後あれこれと考えを張り巡らせたわけですが、本作の主軸にあるのは“思い込み”ということなんじゃないかと考えます。ヘミは猫を飼っていると言っていたが一度も姿が見えない。だけどジョンスは猫がいるという思い込み。ヘミの実家に井戸があったというジョンスの母の思い込み。ビニールハウスは確かに焼いたというベンに、町中くまなく探しても焼けたビニールハウスなどなかったというジョンスの思い込み。そして、ベンがヘミを殺したというジョンスの思い込み。思うに、人間はこうだ、と言い切られてしまうと、そうなんだ、といとも簡単に信じ込んでしまう生き物なんだと。若いとそういった思い込みが強く、それに向かって突っ走ってしまうものなのだ。そういったことを伝えているのではないかと考えましたね。村上春樹の原作読んでないし、まるっきり的外れなのかもしれませんが。

 

(C)2018 PinehouseFilm Co., Ltd. All Rights Reserved

 

 とはいえ、そう考えると本作からますます味が出てくるなぁ~と妙に感心したりもしてます。何でもないあの若者の日常が、なぜあれほどまでに陰気で暗く描かれているのか。そういった符号を洗い出して今一度鑑賞してみると、また新たな発見があるような気がします。しかし、やっぱり148分は長いと思いますが。

 

 

【2019年度 Myランキング】(9/21時点)

 

 本作は、本年度の次点(暫定)にランクイン。

 眼精疲労再び。

 

(ベスト)… ★★★☆以上が基準

 

  1位:アベンジャーズ エンドゲーム ★★★★☆

  2位:ゴジラ キング・オブ・モンスターズ ★★★★☆

  3位:運び屋 ★★★★

  4位:翔んで埼玉 ★★★★

  5位:ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド ★★★★

  6位:クリード 炎の宿敵 ★★★★

  7位:特捜部Q カルテ番号64 ★★★☆

  8位:七つの会議 ★★★☆

  9位:映画 賭ケグルイ ★★★☆

 10位:がっこうぐらし! ★★★☆

  次点:バーニング 劇場版 ★★★☆

      引っ越し大名! ★★★☆

      ザ・フォーリナー 復讐者 ★★★☆

 

 

 (ワースト)… ★★☆以下が基準

 

  1位:麻雀放浪記2020 ★☆

  2位:天気の子 ★★

  3位:メン・イン・ブラック インターナショナル ★★

 

<その他ランク外一覧>

蜘蛛の巣を払う女マスカレード・ホテルミスター・ガラスサスペリア十二人の死にたい子どもたち劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズアクアマンファースト・マンアリータ バトル・エンジェルグリーンブックTHE GUILTY ギルティスパイダーマン:スパイダーバースキャプテン・マーベルイップ・マン外伝 マスターZバンブルビーANON アノンダーク・スクールエリザベス∞エクスペリメントハンターキラー 潜航せよシャザム!キングダムゴールデンスランバーモースト・ビューティフル・アイランド空母いぶきパラレルワールド・ラブストーリーカイジ 動物世界スノー・ロワイヤルROMA ローマニセコイアンフレンデッド ダークウェブパージ:エクスペリメントザ・ファブルスパイダーマン ファー・フロム・ホーム凪待ちDiner ダイナーアンノウン・ボディーズトイストーリー4アイアン・スカイ 第三帝国の逆襲ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 南北英雄チャイルド・プレイサムライマラソン東京喰種 トーキョーグール【S】ドラゴンボール超 ブロリーワイルド・スピード スーパーコンボ血まみれスケバンチェーンソーREDZ Bull ゼット・ブルダンスウィズミーワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 英雄復活SHADOW 影武者ダンボ大脱出2記憶にございません!アス見えない目撃者


 

『バーニング 劇場版』の公式サイトはこちら

 

 

 

 

 

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