「マローボーン家の掟」 ★★★～サイコ＋アザーズ

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2019』の掲載にあたって」

サイコ＋アザーズ★★★

（2017年／スペイン・アメリカ／110分／Marrowbone）【　製作総指揮　】J・A・バヨナ

【　監督　】セルヒオ・Ｇ・サンチェス

【　出演　】ジョージ・マッケイアニヤ・テイラー＝ジョイミア・ゴスチャーリー・ヒートン

【あらすじ】

　忌まわしい過去を捨てるため、アメリカのとある片田舎の山奥の屋敷に引っ越してきたジャックら4人の兄妹たちと母親。そこは、かつて母親が住んでいた屋敷だった。

　凶悪殺人鬼である父親から逃れ、平穏な日々を暮らすマローボーン家だったが、母親の病死をきっかけに、屋敷内では不気味な出来事が起こり始める。

　屋敷には何かがいる。そう確信した兄妹たち。その真相は想像だにしない事実だった―

【コメント】

　さて、今回行きつけのTSUTAYAで見つけた本作。

　いかにも『シックス・センス』を彷彿とさせるポスターに目を惹かれ、劇場公開時、非常に気になっていた作品でしたが、劇場館数が少なかったこともあってスルー。TSUTAYAを探っていたところ、新作段に陳列されていたので、ソッコー手に取った次第です。

　うむなるほど、そういうことですか。思ったとおり、いわゆるどんでん返しのネタバレ厳禁作品ということですが、あえて例えるなら『サイコ』＋『アザーズ』といった趣でしょうかね。最近この手の作品が少なくなったので楽しんで観ることができましたね。

　作りはかなりの低予算で、展開はほぼ屋敷内、登場人物もさほど多くない。その分、雰囲気作りとどんでん返しのアイデア一発で勝負している作品ですな。展開や伏線の張り方、ドラマチックな場面はとてもよく出来ているので、これからどうなるのかと思わず見入ってしまいます。展開もエンディングも決してハッピーなものではなく、切なく哀しい終わり方をするので、スッキリはしないけど個人的にはこういうの好きです。

　ただやっぱり、蓋が空いてしまっても、やられた！こいつは騙された！といった感覚はなく、あ～『サイコ』と『アザーズ』の混合体なのね、という感想に落ち着いてしまう。ネタバレしたらあとは興味を失ってしまう。残念ながら、ネタバレしてももう一回観てみたい！と思うまでの魅力はなかったかな～という感想です。