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「ヤクザと家族 The Family」 ★★★★~行き過ぎた“正義”、それでも無くならない“悪”

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※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

 これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

『シネマ報告書2021』の掲載にあたって

 
行き過ぎた“正義”、それでも無くならない“悪”
★★★★

(C)2021「ヤクザと家族 The Family」製作委員会

 

(2021年/日本/136分)
 
【 脚本・監督 】
藤井道人

 

【 出演 】

綾野剛
舘ひろし
尾野真千子
北村有起哉
市原隼人
磯村勇斗
菅田俊
康すおん
二ノ宮隆太郎
駿河太郎
岩松了
豊原功補
寺島しのぶ

 


 

【あらすじ】

 

 1999年。父親を覚せい剤で失い自暴自棄になっていた山本賢治は、何の目的もなくただ仲間とつるむ毎日を送っていた。ある日、ひょんなことから柴咲組組長・柴崎博の命を救った山本は、柴崎と父子の契りを結び、ヤクザの世界に足を踏み入れる。

 2005 年、ヤクザの世界で男を上げていった山本は、敵対する侠葉会から柴崎を守るため、若頭の川山を殺し刑務所に入ることになる。

 2019年、14年の出所を終えた山本が直面したのは、暴対法の影響により隆盛を極めた柴咲組が衰退している姿と、ヤクザに対する世間からの風当たりの強さだった―

 

 

【コメント】

 

 新型コロナの影響で自分の生活様式もガラリと変わり、先の緊急事態宣言のせいでレイトショーも観られなくなった今日この頃。先週公開で、これはちょっと観ておきたいぞと目を付けていたのが本作です。

 ヤクザを題材とした作品ではありますが、2018年に公開された『新聞記者』の藤井道人監督ということで、これは重厚な社会派ドラマであろうとお見受けし興味が湧いていたので、「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。

 

(C)2021「ヤクザと家族 The Family」製作委員会

 

 良かった・・・これは見応え十分、非常に面白かった!心揺さぶられ鑑賞後も考えさせられる、思った以上に重厚な社会派ドラマでしたね。僕が本作で感じ取ったのは、昨今の行き過ぎた“正義”と、それでもなお絶えることのない“悪”という現代の社会問題をヤクザという目線で訴えかけた社会派ドラマだということですね。鑑賞後ちょっと尾を引きずりました。

 

 家庭環境に恵まれず自暴自棄に生きていた主人公がヤクザの組長に拾われ、組みを支えるほどにのし上がっていくも、時代とともに暴対法で生活は締め付けられ、ヤクザから足を洗い細々と生活をするも、元ヤクザというだけで世間からはのけ者にされ警察には目を付けられ苦悩する。まっとうに生きたくても周りがそうさせてくれない。世間に訴えてもそんなの自業自得と吐き捨てられる。

 ヤクザを肯定する気はさらさらないんですが、僕が思うに「ヤクザになりたい!」と思ってなる人間ってほとんどいないと思うんです。本作の主人公のように、大半は親がクズだったり家庭環境に恵まれなかったり、ひどいいじめや虐待を幼少期から受け続けたり。そんな人生を歩めば誰もが精神はねじ曲がってしまうのは至極当然なわけで、よっぽどの社会援助を受けない限り間違った道に行ってしまう。そんな人生を歩んできた人間に対し、まっとうに生きよなんて平然と言える人間のほうがおかしいんです。

 昔の漫画「となりの凡人組」にあったセリフ「ヤクザってのはな、もともと貧困から始まったんや」という言葉のように、ヤクザというのは、そんなまっとうに生きたくても生きることができなかった人間を取り込み、ひとりの人間として扱ってくれるひとつのセーフティネット的役割を担っていたのではないかと僕は思います。

 

 まっとうに生きることが良いことなのだろうか。したくても出来ない者や、そもそも“まっとう”な生き方すらも知らずに育った者に対して、社会は何をしてきたのか。

 人間は平等ではない。生まれた環境や育ち方で人間は大きく変わってしまう。そんなバックグラウンドを理解しようともせず、生きる道を閉ざしてしまう現代社会は果たして良い社会と言えるのか、そんな問題提起をしていたように感じます。

 仮に完全にヤクザの生きる道を絶やしたとしても、今は半グレのようにまた違った形でそんな者たちが集いコミュニティを形成していく。時代とともに形は変わっても本質は変わらないんです。

 

(C)2021「ヤクザと家族 The Family」製作委員会

 

 芸能人でも、多少の失言や不倫などで大々的にニュースで報道され潰されていく人たちが多いし、一般人も悪ふざけを動画を撮られネットでさらし者にされては人物特定され潰されていく。新型コロナにおける自粛警察なんかもまたしかり。

 現代社会で悪いことは悪いのだが、人ひとりの人生が絶たれてしまう昨今の“正義”はあまりにも行き過ぎている感じがしてなりません。正義は振りかざせば良いものではないし、手を変え品を変え悪はいつの時代も残り続ける。本作は、そんな悪に対し潔癖な日本の昨今を映し出しているような気がします。

 

 

【2021年度 Myランキング】(2.7時点)

 

 本作は、本年度のベスト10中1位(暫定)にランクイン。

 連日の残業は体を壊します。

 

(ベスト)… ★★★☆以上が基準

 

  1位:ヤクザと家族 The Family ★★★★

  2位:新 感染半島 ファイナル・ステージ ★★★☆

  3位:銀魂 THE FINAL ★★★☆

  4位:

  5位:

  6位:

  7位:

  8位:

  9位:

 10位:

  次点:

      

 

 (ワースト)… ★★☆以下が基準

 

  1位:さんかく窓の外側は夜 ★★☆

  2位:

  3位:

 

<その他ランク外一覧>

燃えよデブゴン TOKYO MISSIONおとなの事情 スマホをのぞいたら名も無き世界のエンドロール

 


 
 
『ヤクザと家族 The Family』の公式サイトはこちら

 

 

 

 

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