「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。
これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。
(C)2021「哀愁しんでれら」製作委員会
土屋太鳳
田中圭
COCO
山田杏奈
ティーチャ
銀粉蝶
石橋凌
【あらすじ】
市役所に勤める小春は、ある夜、立て続けに不幸に見舞われ人生がメチャクチャに。
呆然と街をさまよう小春は、線路で倒れていた開業医の大悟を助けたことで交際が始まる。バツイチの大悟は一人娘のヒカリを裕福に暮らしており、優しい大悟に惹かれた小春は、彼のプロポーズを受け入れ、不幸のどん底から一気に幸せの絶頂へと駆け上がる。
しかし、3人で暮らしていくうちに、大悟とヒカリの本性が見え始め、小春の精神は蝕まれていく―
【コメント】
緊急事態宣言の影響で洋画系が軒並み公開延期となっているため、今年の劇場鑑賞は邦画ばかりの今日この頃、今回鑑賞したのは土屋太鳳&田中圭W主演である本作。これもミステリー系ですな。
映画館も時短20時となっている状況で、僕自身の生活様式も変わっているため、ちょっと気にはなっていたもののスルーしようかな~と考えていましたが、やっぱり気になるなと「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。
(C)2021「哀愁しんでれら」製作委員会
いや~、これは面白い!スルーしないで劇場で観て良かった!幸せな結婚生活をユーモラスに表現しながらも、時折垣間見せる不穏な空気。進むにしたがってそれが積み重なり、クライマックスの壮大なバッドエンドに繋がっていく。ユーモアがありながらも狂気じみた薄気味悪さ。本作のタイトルを分かりやすくするのならば「モンスターペアレントへの道」、これでしょう。本作は清々しいバッドエンド、ネットでの評価が賛否真っ二つに分かれている理由がよく分かりました。
とある普通の女子が、立て続けの不幸の果てにコブ付きの超リッチな開業医と結婚にいたる前半のサクセスストーリー、そして後半に進むにつれ徐々に不穏な空気が増しグロ描写皆無なのに狂気に満ちて気持ち悪い。自分勝手ワガママ放題のサイコパス予備軍ヒカリと、育児に関心がないモラハラ夫という本性により小春の心が徐々に崩壊、結果誕生したのは子供を大事にするあまり客観性を失ってしまった「うちは悪くない、悪いのは学校」という立派なモンスターペアレント。そしてブッ飛んだラストに繋がる。
本作が面白いのは、いろんな場面に種を蒔いといてラストで一気に回収する伏線回収系の作品が濫造されている昨今において、それをあえてうやむやにして終わらせ観客に解釈をゆだねているところ。スッキリしない映画が嫌いな人は本作は向いてませんが、未回収のいろんなシーンをああでもないこうでもないと考えるのが好きな人は断然楽しめると思います。
ヒカリの筆箱や弁当、同級生の死、ラストの手紙などなど、結局分からないままの部分がすごく多い映画なんですが、それが逆に鑑賞後も後味として残る。実に興味深い作品だったと思います。
加えて、土屋太鳳と田中圭の何とも見事な演技。土屋太鳳は相変わらずスゲーなと実感します。しかし、それを超えて凄かったのはヒカリ役である子役の子。COCOちゃんですかね。この子の癇癪っぷり苛立たせっぷりは表彰モノです。下手に甘やかすとこんな子供ができるぞと言わんばかりのワガママっぷりで、ルックス的にも絶妙に可愛らしくない(失礼)ところも拍車をかけています。本作のMVPはまさにこの子で決まりですね。
(C)2021「哀愁しんでれら」製作委員会
あのラストの壮大なるバッドエンドについてはかなり無理があるとは思いますが、あれは要するに「他の子供を殺してでも自分の子供が一番である」という自己中心的な親の考え方、モンペの思考回路を簡潔に映像表現したものだったんだと解釈しています。
僕はハッピーエンド至上主義ではないので、久しぶりに程よい胸糞悪さを感じることができる作品が観られて非常に満足の一本でした。
【2021年度 Myランキング】(2/14時点)
本作は、本年度のベスト10中2位(暫定)にランクイン。
夜はまだまだ寒い。
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
2位:哀愁しんでれら ★★★☆
5位:
6位:
7位:
8位:
9位:
10位:
次点:
(ワースト)… ★★☆以下が基準
2位:
3位:
<その他ランク外一覧>
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