「キャラクター」　★★★～Fukaseのためにある作品

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2021』の掲載にあたって」

Fukaseのためにある作品★★★

（2021年／日本／125分） 【　監督　】永井聡【　出演　】菅田将暉Fukase高畑充希中村獅童小栗旬中尾明慶松田洋治小島聖小木茂光

【あらすじ】

　漫画家のアシスタントをしながら、自分も漫画家なるために描き続けている山城圭吾は、なかなか芽が出ず漫画家の道を半ばあきらめかけていた。

　ある日、一家殺人事件とその犯人を目撃してしまった山城は、その犯人をキャラクターにしたサスペンス漫画「34（サンジューシ）」を描き、一躍売れっ子漫画家となっていく。

　一方で、その「34」で描かれた殺害方法を模した事件が次々と発生、警察は山城に関連性を聴取するが、山城は知らぬ存ぜぬで貫き通す。しかし山城のもとに、現場で目撃した犯人が現れ、自分がやったことを打ち明ける―

【コメント】

　さて、今回は、SEKAI NO OWARIのフロントマン・Fukaseの映画初出演で話題の本作を鑑賞。いや、本当はマーベルの『ブラック・ウィドウ』観ようと思ってたのですが、混雑しているようでその日はスルー。代わりに観よう観ようと思いつつ気が付けば公開から1ヶ月が経過していた本作をチョイスしたわけです。

　興行成績も好調らしく、いずれ観ようと気にはなっていた作品なので、良い機会だと「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。いや～1ヶ月経過していてもほとんど席は埋まっていましたね。人気の高さが伺えます。

ふむ、なるほど。オーソドックスな猟奇スリラーですが、漫画という日本のポップカルチャーを絡めた日本らしいスリラーもの。何より、SEKAI NO OWARIのFukaseの華々しい俳優デビューとしては大成功だったんじゃないでしょうか。言うなれば、本作はFukaseのためにある作品と言っても過言ではないでしょう。実際、それくらいのインパクトある存在感があったので、俳優スタートとしては好発進な作品だと思います。

　もちろん主演は菅田将暉君ですが、彼の達者ぶりは言わずもがな。脇を固めるのは高畑充希や小栗旬、中村獅童といった主役を張れるようなベテランもベテラン。そんな達者なベテラン陣の中で、役者ド素人のFukaseが果たして立ち回れるかどうかがある意味見どころでもあるわけですが、存在感もあり棒読みの素人感もなく、うまく立ち回っていたんじゃないかと思います。しかも、小栗旬が小栗旬が途中退場してしまうという意外な展開もあって、お膳立てじゃありませんが、まさに菅田将暉＆Fukaseのための映画だったと言っても過言ではないと感じます。公開1ヶ月経過でもあれだけの観客がいたのも頷けますね。

　ちなみに、エンドロールで出演者の一覧を見ていたら松田洋治の名前が。若い人はピンとこないかも知れませんが、僕は「え！？どこに出てた？？？」と。松田洋治はその昔、TBSのドラマ「家族ゲーム」シリーズに長渕剛と一緒に出ていた俳優さんで、この「家族ゲーム」が青春の1ページとして思い出深い僕としては、一体全体どこに登場していたのかと。『もののけ姫』で声優なんかもやっている方ですが、後で調べたらあーあいつだったか、メチャクチャ登場してたじゃんと。あのへなちょこな感じの人が随分と雰囲気変わったな～と、光陰矢の如しを実感した作品でもありました。

【2021年度 Myランキング】（7/11時点）

　本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。

　この夏は帰省できるのか・・・

（ベスト）…　★★★☆以上が基準

　　１位：ファーザー ★★★★★

　　２位：すばらしき世界 ★★★★

　　３位：ヤクザと家族 The Family ★★★★

　　４位：Mr.ノーバディ ★★★★

　　５位：ガンズ・アキンボ ★★★★

　　６位：ラスト・フル・メジャー知られざる英雄の真実　★★★★

　　７位：映画賭ケグルイ絶体絶命ロシアンルーレット ★★★★

　　８位：哀愁しんでれら ★★★☆