「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」　★★★★～ジェームズ・ガンのセンス爆発！

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2021』の掲載にあたって」

ジェームズ・ガンのセンス爆発！★★★★

マーゴット・ロビー
イドリス・エルバ
ジョン・シナ
ジョエル・キナマン
デヴィッド・ダストマルチャン
ダニエラ・メルシオール
シルヴェスター・スタローン
ヴィオラ・デイヴィス
ジェイ・コートニー
ピーター・カパルディ

【あらすじ】

　アメリカ政府は、刑務所の受刑者たちに減刑と引き換えに秘密の実験“スターフィッシュ計画”を進めているナチス時代の研究所ヨトゥンヘイムを破壊する任務を与える。

　受刑者たちで構成されたタスクフォースXチーム、通称“スーサイド・スクワッド”。ブラックガード、ハーレイ・クイン、ポルカドットマン、ピース・メイカー、ラットキャッチャー２、キング・シャークらは島に上陸し、難攻不落の研究所に潜入する―

【コメント】

　マーベルに対抗し、スーパーマンやバットマンを生み出したアメコミDCが構築する“DCエクステンデッド・ユニバース”（通称DCEU）。その中の3作目である2016年公開『スーサイド・スクワッド』が、装いも新たに帰ってきた！しかも監督が、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのジェームズ・ガンということで、俄然楽しみだった本作であります。

　まあぶっちゃけ、前回の『スーサイド・スクワッド』がたいして面白くなかったので、本来ならば本作も対して期待はしてないのですが、ジェームズ・ガン監督となれば話は別。期待を胸に、さっそく「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。

　面白い！面白ぇぞこれは！2013年の『マン・オブ・スティール』から始まったDCEU、本作はシリーズ10作目となるわけですが、僕の中ではDCEUの中で一番面白い作品だと思いますよ！これまでの、どことなーくマーベルの二番煎じ感があったアメコミシリーズとは違い、本作は異質も異質。レトロな作りでありながら、とにかくしっちゃかめっちゃかでブラックユーモアに富んでいます。まさに本作を監督したジェームズ・ガンのセンスが爆発した作品でしたね。悪ふざけに見えながら、ジェームズ・ガン監督の映画愛に満ちた作品で、最高に楽しませてもらいました。

　映画冒頭で意味深に登場したサバントが、初っ端も初っ端でビビッてあっけなく死ぬというスカシ展開から始まり、余計なドラマは差し込まずとっととミッションスタート、オープニングからフルスロットルで話が進んでいく。複数名の極悪人で結成されたスーサイド・スクワッド、テンポよく名前が紹介されるも、覚える間もなくとっとと死んでいく。なかなかにエグいゴア描写も躊躇なく映像で見せていくし、息つく暇もなくあれよあれよと展開していき、全然飽きさせない。

　登場するキャラクターたちも実に魅力的で、凄腕の殺人マシーン・ブラッドスポートやお馴染みの悪女ハーレイ・クイン、ムキムキマッチョのピースメイカー、お母さんがトラウマのポルカドットマン、ネズミ使いのラットキャッチャー２、そしてシルヴェスター・スタローンのムダ使いキング・シャークなどなど。しまいには日本SF映画の名作『宇宙人東京に現わる』を象ったヒトデ型怪獣が街で大暴れ。ポルカドットマンは、それが母ちゃん大暴れしているように見えているのが何とも愉快。そしてラスト、ラットキャッチャー２が大活躍するという、とにかくぶっ飛びにぶっ飛んだ作品で、最高に笑えて楽しめてもうお腹いっぱいです。

　そんなわけで、ここへきてやっとこさ楽しめるDCEUが登場したところで、今後のシリーズが気になるところ。話だと、マーベルのような共有の世界観で構成していくのはいったん置いておいて、とにかく1本1本質の良い作品を作ろうという方向性になっている模様。傑作『ジョーカー』は世界観を共有してませんからね。これからDCEUがどう動いていくのかは分かりませんが、本作でもって勢いをつけてマーベルに負けない世界を作っていってほしいです。

【2021年度 Myランキング】（8/21時点）

　本作は、本年度のベスト10中4位（暫定）にランクイン。

　テレワークで首が痛い。

（ベスト）…　★★★☆以上が基準

　　１位：ファーザー ★★★★★

　　２位：すばらしき世界 ★★★★

　　３位：ヤクザと家族 The Family ★★★★

　　４位：ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結　★★★★

　　５位：Mr.ノーバディ ★★★★

　　６位：ガンズ・アキンボ ★★★★

　　７位：フリー・ガイ ★★★★

　　８位：ラスト・フル・メジャー知られざる英雄の真実　★★★★