「バイオレント・ナイト」★★★☆ ～やっぱりクリスマスに観たかった

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2023』の掲載にあたって」

やっぱりクリスマスに観たかった★★★☆

（2022年／アメリカ／112分／Violent Night） 【　監督　】トミー・ウィルコラ 【　出演　】デビッド・ハーバー

ジョン・レグイザモ

アレックス・ハッセル

アレクシス・ラウダー

リア・ブレイディ

ビバリー・ダンジェロ

エディ・パターソン

カム・ジガンデイ

【あらすじ】

　物欲主義な子どもたちに嫌気がさし、飲んだくれる毎日を過ごしているサンタクロース。

　今年で最後にしようと、クリスマスイブの夜、トナカイの引くソリに乗ってプレゼントを配っていた。

　サンタは、とある富豪一家の豪邸に入るが、そこには金庫にある3億ドルの現金を強奪しようとスクルージ一味が占拠していた。

　見なかったことにしてその場を去ろうとするが、子供たちを助けるため、スクルージたちに単身戦いを挑む―

【コメント】

　今回劇場で鑑賞した本作、レンタルか動画配信でいいかとスルー気味の作品だったんですが、他に観ようかなーと思っていた作品が色々と僕の苦手とするヤバそうな映画と判明したので（デイミアン・チャゼルの『バビロン』ね）、そちらは観る覚悟が決まるまでいったん据え置きし、やっぱりこっちを観ようと足を運んだもの。

　クリスマスネタなので時期ズレしてんじゃねーのという思いもありつつ、映画系YouTubeで界隈じゃ有名な「シネマンション」でも傑作！と太鼓判を押していたので、映画ファンならこりゃ観なきゃならんと「立川キノシネマ」にて鑑賞した次第です。

　いや～面白かった！さすがにシネマンションの傑作評価は大袈裟だとは思いますけどね、だとしてもアクション好きならば本作は絶対に楽しめる良作であることに違いはありません。

　ジャンルもしっちゃかめっちゃかですが、しいて言うならばスプラッターサスペンスアクションファンタジードラマでしょうか。いろんな要素が詰め込まれているんですが、決してとっ散らからずストレートに見せてくれて最高に楽しめる作品でしたね。

　それを踏まえて、本作のポイントは以下の3つでしょうか。

１．『ダイ・ハード』『ホームアローン』ネタ満載の面白アクション！

２．クリスマスとは思えないスプラッターなアクション！

３．でもやっぱりクリスマスに観たかった

　本作の、テロリストが建物を占拠し大金を強奪しようとする展開と、そのテロリストたちにサンタが単身戦いを挑むという展開は、まさに『ダイ・ハード』そのまんま。これはパクリでも何でもなく、ネタとしてあえて意識して取り入れているもの。それを証拠に、随所にダイ・ハードネタが詰め込まれているし、なんならば『ダイ・ハード２』ネタまで盛り込んでくる。

　クライマックスの子供VSテロリストの展開もまんま『ホームアローン』なので、『ダイ・ハード』シリーズや『ホームアローン』を知っている人ならば、終始ニヤニヤ出来ること請け合いです。

　しかも本作、クリスマスやサンタといったファンタジックな設定とは裏腹にかなりのスプラッターなアクション。クライマックスのサンタがハンマーを振り回しテロリストたちをぶっ殺しまくる無双展開はなかなかの痛々しさながらも爽快。サンタカッコ良すぎだろ！

　『ホームアローン』なシーンもなかなかに痛々しくて、こりゃ確かにクリスマスシーズンの公開は控えるわなーと妙に納得しました。

　とはいえ、やっぱり本作はクリスマスに観たかったなーと。雰囲気的にもそうだったんですが、本作はスプラッターなアクションも見どころではあるんですが、クライマックスなかなかに泣けるシーンもあって、ドラマとしてもよく出来ているなと。暴れん坊サンタと子供が心を通わせる交流設定はズルいね、泣かないわけないですよ。