「高速道路家族」★★☆～チープなB級ドラマ

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2023』の掲載にあたって」

チープなB級ドラマ★★☆

ラ・ミラン

キム・スルギ

ペク・ヒョンジン

【あらすじ】

　高速道路のサービスエリアを転々としながら、他人から2万ウォンを借りて食いつないでいるギウと3人の家族。

　ある日、ギウは以前お金を借りたことのあるヨンソンと、別のサービスエリアで偶然にも再会してしまい警察に取り押さえられてしまう。

　ヨンソンは、残されたギウの妻ジスクと子どもたちを放っておけず、家へ連れ帰って一緒に暮らし始める。そして、次第にまるで家族のような絆が結ばれていく。

　一方で、ギウは家族を守るために留置場を脱走、家族を探すために街を彷徨う―

【コメント】

　さて、今回TSUTAYA DISCASでお取り寄せした映画は、4月に劇場公開された韓国映画である本作。

　なんか『パラサイト半地下の家族』を彷彿とさせるかのような韓国製スリラーという触れ込みだったので、劇場公開時観に行こうかなとも思っていたのですが結果的にスルー。2023年もあと1ヶ月ちょいということで、とりあえず観ておこうとレンタルしてみた次第です。

　なんだよ、全然スリラーじゃないじゃん。ドラマ、いたってフツーの家族ドラマ。韓国映画らしいといえばらしい、ちょっとした衝撃もありつつも主体としては家族の絆の物語です。スリラー的要素はほぼほぼありません。なぜこんなミスリードを誘発してしまう宣伝文句にしてしまったのかねー。

　内容的に見ても、まあ悪くはなかったんですが、これまで観てきた韓国映画の中でもだいぶチープな出来だと思いますね。いろいろとツッコミどころもあるし。

　そんな僕が感じた本作の感想は以下の3つです。

１．スリラーじゃなく普通のドラマ

２．内容はチープなB級ドラマ

３．まあこんな韓国映画もあるということで

　簡単に展開を言ってしまうと、旦那が借金作ってしまったがゆえに高速道路のサービスエリアで他人にお金を無心しながら生活している家族がいて、その旦那が詐欺罪で警察に捕まって、残された家族を不憫に思った子供がいないリサイクルショップの奥さんが引き取り、共に生活していくうちに絆が生まれてくる。方や、旦那は家族に会いたいがために留置所を脱走しあえなく指名手配、徐々に気が狂って衝撃の結末に・・・というもの。

　要は、すべて旦那が蒔いた種が原因で不憫な生活を送っていた家族が、だんだん人並みの生活に目覚めちゃって、旦那の独りよがりな家族像にノーを突きつけてしまう。旦那はチクショー俺の家族を返せーって突拍子のない行動を取って家族たちを危機にさらしてしまうわけです。

　なんか、観てて旦那の独りよがりとダメ人間っぷりにまったくもって共感できないし、スーパーで商品喰い散らかしたり顔に泥塗りたくったり挙句の果てはファイヤーボールをぶんぶん振り回してリサイクルショップに登場したりと、おおよそ行動が突拍子過ぎていったい何やってんだこいつと。そして警察もぜんぜん捕まえられねーのどうなのよと。

　ドラマにしても、あまりにも使い古した展開だし、旦那の行動もぶっ飛び過ぎていて浮いちゃってる。らしく作られてはいるんですが、ちょっと空回りしていた気がしますね。