死霊のはらわた　（評価：★★☆）

※※※　注意　※※※
　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2013』の掲載にあたって」

ゴア描写に頼り過ぎた駄リメイク

★★☆

（2013年／アメリカ／91分／Evil Dead）

【　製作　】
サム・ライミ
ブルース・キャンベル

【　監督　】
フェデ・アルバレス

【　出演　】
ジェーン・レヴィ
シャイロ・フェルナンデス
ジェシカ・ルーカス
ルー・テイラー・プッチ
エリザベス・ブラックモア

【あらすじ】

　ミアのドラッグ中毒を治療するため、山奥にたたずむ古びた小屋を訪れた5人の若者たち。
　小屋に入ると、地下室から頑丈に縛られた謎の不気味な書物を見つける。その書物に書いてある文字を読み上げてしまった若者は、はからずも邪悪な死霊を甦らせてしまい、解き放たれた死霊はミアにとりつき、次々と若者たちに襲い掛かる―

【コメント】

　本作の元ネタである同タイトルの1981年版には思い出がありまして、ビデオレンタル屋さんが徐々に立ち並び始めた、まだ僕が中学生だった当時、友人たちと「みんなで怖い映画観ようぜ！」ってなノリになって、その当時かなり衝撃的なホラー映画と噂された本作の1981年版をレンタル屋で借りてきて、僕の家で友人たちとワーキャー騒ぎながら観た記憶があります。
　まあ、鑑賞後の感想は中二病よろしく「ぜぜ全然怖くねーぜ！」なんて言ってましたが、今思ってもあのパワフルで畳み掛けるようなショック演出とゴア描写は当時画期的と言っていいほどのもので、その頃からサム・ライミという映画監督の才能はすでに花開いていたわけですね。
　そんなサム・ライミ監督の大出世作であり代表作を、はからずも本人が製作側に回ってリメイクしたということで、楽しみにブルーレイをレンタルしてきた次第です。本当は劇場で観たかったんだけどね。

　まああれですね、リメイク作品がやらかしてしまうパターン。オリジナルを超えられなかったってやつ。
　とにかくゲログロなゴア描写にばっかり力入れ過ぎの頼り過ぎ。確かに1981年版よりは良く出来てますよグロ系は。自主制作同然だった元ネタから30年以上も経ってるわけだし、なにしろサム・ライミ本人が関わっているとなりゃそれなりにお金もかけられるし、そりゃ精度も上がりますわね。
　だけど、肝心のストーリー展開がテンポ悪くてスピード感がまるでない。どうでもいい友情とか兄妹の絆とかのドラマチックな部分が逆にテンポを悪くしている。というか、そんなドラマどうでもいいです。
　ホラーな部分を取ってみてもグロ演出で「うわぁ」ってちょっとなるだけで、ホラーの怖さが全然伝わってこない。怖さをゴア描写に頼り過ぎなんです。期待していただけに、残念な出来でしたね。