クソすばらしいこの世界　（評価：★★）

※※※　注意　※※※
　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2013』の掲載にあたって」

監督の意図がつかめない

★★

（2013年／日本／78分）

【　脚本・監督　】
朝倉加葉子

【　出演　】
キム・コッビ
大畠奈菜子
北村昭博
しじみ
甘木ちか
阿部友保

【あらすじ】

　アメリカ留学中の韓国人アジュンは、同じ日本人留学生とともにロサンゼルス郊外へキャンプに行く。まじめなアジュンに対し、日本人は英語もしゃべれず酒やドラッグやセックスにおぼれていた。
　キャンプ到着後、現地で殺人と強盗を繰り返すアメリカ人の兄弟は、アジュンたちを次のターゲットに定めていた―

【コメント】

　さて、爽やかなポスターのイメージとは裏腹に、なかなかのエグさの内容である本作。スラッシャーホラーと言われる、要するに人間が人間をぶっ殺しまくる残酷映画なわけです。
　残酷系も大好物な僕的には、じゃあどんなものかとレンタルしてみた次第なわけです。
　

　はっきり言っちゃうと、全然意味が分からん。映画監督の意図がさっぱりつかめません。
　新進気鋭の期待の映画監督と謳われるくらいなのだから、スラッシャーホラーとはいえ何かしらの意図、テーマを持たせている、という僕なりの深読みを試みたんですが、さっぱり意味が分かりませんでした。
　若者が殺人鬼にエグい殺され方で殺されまくるという、よく観るホラー的展開でありながらも、いきなり“転校生”的な展開があったり、黒髪が金髪に変色したりと意味不明。何か意図があってのことのか？監督の壮大なるテーマがあってのことなのか？深読みの迷路に見事にハマってしまいました。
　何なんでしょう、まず韓国人、日本人、そしてアメリカ人という人種をチョイスしたのは、なにか政治的な背景でもあるのだろうか。

　　・勉強に熱心な“まじめな韓国人”
　　・遊び呆けて英語も話せない“だらけた日本人”
　　・人を殺すのが大好きな“無差別殺人鬼のアメリカ人”

　この三国関係は日米同盟、韓米同盟に位置するものであるのは言うまでもありませんが、僕は鑑賞後「最後に勝つのはまじめな韓国！日米は互いに潰しあって終わる！これこそが“クソすばらしい世界”なのである！」みたいな左翼的な思想でもあるのかと無駄に深読みしちゃったりしてましたが、結局のところ謎のまま訳ワカンネで結論が出ちゃいましたね。
　まあ、ポスターの言葉そのまんま「違う人種同士はいがみ合ったまま、決して仲良くなることはない」ということなのでしょうか。