探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点　（評価：★★★）

※※※　注意　※※※
　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2013』の掲載にあたって」

昭和色大幅に薄れる

★★★

（2013年／日本／120分）

【　監督　】
橋本一

【　原作　】
東直己
探偵はひとりぼっち（ハヤカワ文庫）

【　出演　】
大泉洋
松田龍平
尾野真千子
田口トモロヲ
ゴリ
筒井真理子
渡部篤郎

【あらすじ】

　札幌はススキノ。
　探偵は、行きつけのオカマバーの手品が得意なマサコちゃんを囃し立てマジックコンテストに出場させ見事に優勝するが、その二日後にしたいとなって発見される。
　警察の捜査に進展がないまま3ヶ月が過ぎたころ、探偵の耳に「マサコちゃんは政界の闇に触れたために殺された」という噂が入る。それと同時に、マサコちゃんがファンだったバイオリニストの女から事件の究明を依頼され、再び探偵と助手の高田は調査を開始するが、探偵たちは謎の集団から命を狙われることになる―

【コメント】

　一昨年に鑑賞した本作の第1作『探偵はBARにいる』は、東映大得意の松田優作や「あぶ刑事」のテイストを彷彿とさせる、とても懐かしい匂いのする作品でして、僕は劇場でノスタルジーに浸りながら前作を楽しみました。
　そんな懐かしさが功を奏したのか、待望の続編が早くも製作されましたが、なぜか劇場での鑑賞はスルーしちゃいまして、今回DVDレンタルでの鑑賞と相成ったわけです。まあ、当時ネットでそれほど評判がよろしくなかったので、それがスルーした原因だったかと。

　なんだよ～今回もなかなか面白かったじゃん。これなら劇場で観ときゃよかった。
　三枚目探偵の大泉洋と、無表情でもケンカはめっぽう強い松田龍平のキャラコンビは相変わらず魅力的で楽しいし、サスペンスフルな展開のストーリーもこれまた相変わらず面白い。今回も2時間全く飽きずに楽しませてもらいました。
　しかしながら、ススキノが舞台であるだけに積雪がないとなんだか物足りない。あの真っ白に降り積もった雪が街を覆い、いかにも寒そうな空気が伝わってくるムードが本シリーズの味だと勝手に思っていたのだが違うのか。
　それになにより前作のテイスト、つまりは昭和チックな雰囲気は大幅に薄れ、単なる探偵モノになってしまったのは非常に残念。東映さん得意だろなにやってんだ。
　今回のヒロイン・尾野真千子もね～最近よく見かけますよね。まあ演技派ではあるんでしょうけど、本作での存在感は弱かったと感じますね。むしろ佐藤かよのほうが個人的には存在感があったね、可愛いし。男だけど。前作の小雪ほどの存在感はなかったですかね。