アメイジング・スパイダーマン２　（評価：★★★）

※※※　注意　※※※
　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2014』の掲載にあたって」

前作よりさらにドラマチック、だけど長すぎ

★★★

（2014年／アメリカ／142分／The Amazing Spider-Man 2）

【　監督　】
マーク・ウェブ

【　出演　】
アンドリュー・ガーフィールド
エマ・ストーン
ジェイミー・フォックス
デイン・デハーン
コルム・フィオール
フェリシティ・ジョーンズ
ポール・ジアマッティ
サリー・フィールド

【あらすじ】

　スパイダーマンとして今日もニューヨークの平和を守るピーターは、恋人グウェンの亡き父親と交わした束に苦しみ、互いに別々の道を歩むことに。
　一方、オズコープで働く電気技師マックスは、作業中の事故が原因で“エレクトロ”となり、スパイダーマンに対抗することになる。
　また、オズコープのCEOノーマンの死去により、息子でありピーターの旧友であるハリーが着任。彼は不治の病に侵されており、治療のためにスパイダーマンの血液が必要だという結論に達し、エレクトロとともにスパイダーマンの抹殺に動き出す―

【コメント】

　前作『アメイジング・スパイダーマン』から2年弱、シリーズ化する気満々のリブート版「スパイダーマン」シリーズ早速のパート２登場であります。
　先に観た「アベンジャーズ」シリーズとは直接関係ないものの、天下のマーヴェルはガッツリ絡んでおりますので、その完成度は相変わらずのハイクオリティであります。
　前作の時ブログでも語ったとおり、僕にとっての「スパイダーマン」シリーズは一貫して“サム・ライミ版”のほうでありまして、アメコミヒーローとしての単純な面白さと独特のB級感、そしてちょっとした青春ドラマがうまくブレンドされていたサム・ライミ版に対し、本シリーズの“マーク・ウェブ版”は、むしろ青春ラブストーリーに重きを置いたドラマ性がウリであるわけです。まあでも、とりあえず話題作だし、今度はどんな甘酸っぱい感じに仕上がっているのか観てみようかと。

　う～んドラマチック、前作よりかなりドラマチック。
　亡き父母の死の真相と祖母との関係、恋人グウェンとのくっついたり離れたりの繰り返し、そして旧知の親友ハリーとの友情話と、スパイディ・ピーターの青春の葛藤は収まることを知らない。振り返ってみれば、そんな展開が延々と続いていて、ド派手なアクションシーンってほんとポイント的にしか出てこない。だけどシーンとしてしっかりと記憶に残っていて、1本のアメコミ・アクション映画として成立している。どこか少女マンガっぽい感じもするけどね。
　「アベンジャーズ」シリーズのヒーローと違って、どこか未成熟で子供っぽい本作スパイダーマンは、まさに青春ヒーローものとして確立してますよ。しかも、クライマックスシーンは「えぇ～ウソだろ！？」という哀しい展開になっていて、これまでの映画の常套手段を“ある意味”裏切った展開だったのは意外。そしてラストシーンの、哀しみから立ち直ったスパイダーマンの雄姿が鳥肌立つほどカッコいい！泣きそうになった。ほんと、クライマックスはかなり盛り上がってますね。
　しかしながら、本作の上映時間が142分とえらく長い、長すぎる。正直、さすがに途中飽きちゃった。ドラマを詰め込んでスパイダーマンをさらに深掘りするその姿勢は素晴らしいと思いますが、長さはなんとかならなかったのでしょうかね。