赤×ピンク　（評価：★★★）

※※※　注意　※※※
　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2014』の掲載にあたって」

ストーリーはともかくアクションは魅せる！

★★★

（2014年／日本／118分）

【　監督　】
坂本浩一

【　原作　】
桜庭一樹

【　出演　】
芳賀優里亜
多田あさみ
水崎綾女
小池里奈
山口祥行
前山剛久
杉原勇武
桃瀬美咲
桜木梨奈
三田真央
西野翔
周防ゆきこ
大島遥
安田聖愛
人見早苗
榊英雄
品川祐

【あらすじ】

　六本木のと廃校で夜な夜な開催される非合法のキャットファイトショー“ガールファイト”。
　試合に出場している“ガールズブラッド”たちは、女嫌いの皐月をはじめ、SMの女王ミーコ（水崎綾女）、ナイーブなまゆ（小池里奈）など、訳アリの女性たちで構成されていた。
　ある日、DV夫を持つ千夏がメンバーに加わったことで、ガールズブラッドの存続にかかわる事件が起こり、それぞれが自らの生きる場所を見出し始めていく―

【コメント】

　どのような経緯で本作『赤×ピンク』を観てみようと思ったのかはよく覚えていませんが、おそらくは、僕と同じような映画ブログで目にしたのに加えて、ネットでの高評価を受けてのことだと思われます。
　本作の原作はもちろん未読ですし、出演者もほぼ知りません。あ、小池里奈はギリギリ知ってるくらいですかね。そんなネットの評価を見なければ絶対に手にしない作品です。見るからに学芸会っぽい作りと感じたので。
　本作は、大作の陰に隠れて結局は目立たなかったものの、ネット上でなかなかの高評価を獲得していたので、じゃあ観てみようとレンタルしてみた次第です。いや、便利な世の中になりましたな。

　いや、とにかくですね、ストーリーはともかくとして格闘アクションはかなり魅せる作品ですよ。
　格闘に目覚めた女の子たちの成長物語と、女性が女性を好きになるという百合的な物語が中心に進みますが、正直それぞれの演技力は圧倒的に乏しいし、観ているこっちが恥ずかしくなるくらいのわざとらしい青春群像が描かれています。成長としてもいろいろと説明不足だしね。
　主役の芳賀優里亜も香里奈っぽいんだか椿鬼奴っぽいんだか分からない容姿だし、多田あさみはキンタローの上位互換みたいな感じ。二人の百合シーンはなかなかにエロかったけど。しかも、恵比寿マスカッツ時代からお気に入りの西野翔ちゃんの出番が少なすぎる！
　しかしですよ、そんな演技力不足などをチャラにできるくらい格闘アクションは凄い！これまで散々観てきたアイドルの付け焼刃のぎこちない格闘とはわけが違う。鋭さ、力強さ、見せ所、こりゃ男でもやられるわっていうくらいすべてがとにかくガチ。キャットファイトの域を超えていますね。
　おそらく監督は、ストーリーよりもこの格闘部分にかなり気合を入れたのではないかと思われます。そして、それは見事に本作を見ごたえある作品として昇華させておりますね。