オールド・ボーイ　（評価：★★★）

※※※　注意　※※※
　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2014』の掲載にあたって」

韓国版とオチが同じとはな・・・

★★★

（2013年／アメリカ／103分／Oldboy）

【　監督　】
スパイク・リー

【　原作　】
土屋ガロン
嶺岸信明

【　出演　】
ジョシュ・ブローリン
エリザベス・オルセン
シャールト・コプリー
サミュエル・L・ジャクソン
マイケル・インペリオリ
ランス・レディック
マックス・カセラ
ハンナ・ウェア

【あらすじ】

　広告代理店で重役を務めるジョー・ドュセットは、仕事は一流だが妻と一人娘ミナに逃げられ自堕落な生活を送っていた。
　ある日、うまくいくはずの商談が、ジョーのせいで相手を怒らせてしまい、やけになって泥酔してしまう。そして、気が付くと出口が塞がれ何者かに監視されているかのような部屋の中に監禁させられてしまう。テレビには、妻を殺した犯人として指名手配されているジョーの姿が写っていた。
　監禁生活からはや20年目に入ったある日、突如ジョーは解放される。一体何者が自分を監禁したのか、誰が妻を殺したのか、そして娘のミナはどこにいるのか。自分をこんな目に遭わせた犯人に復讐すべく、ひょんなことから知り合いになったソーシャルワーカーのマリーとともに真相の追究に動き出す―

【コメント】

　「オールド・ボーイ」と言われると、日本の漫画原作よりも韓国版の実写映画のほうが頭に浮かんだりします。そのくらいインパクトがある作品でしたからね。原作とは違う衝撃のラストが、僕ならずとも観る者すべての人に衝撃を与えたのは言うまでもありません。事実、カンヌ映画祭の審査員特別グランプリほか数々の賞に輝いていましたからね。
　その衝撃に目を付けたのが、ネタ切れ気味の他ならぬハリウッド映画界でありまして、かなり前からリメイクの話があったことをよく覚えています。それが、かつて『マルコムX』などで名声を手にしたスパイク・リー監督によって実現したというわけで、とりあえず観に行ってみた次第です。ちょっと公開と間が空いちゃったけどね。他に目ぼしい作品もなかったし。

はぁ～なるほど。まさか韓国版とオチが同じとはね・・・
　いや、確かに面白いには面白いんですよ。そもそものお話自体が面白いわけだし、20年間監禁さられていた謎解きのサスペンスフルな展開や、痛そうなハンマーバトルシーン、なかなかにグロい凄惨な描写など、映像からは目が離せなくなることは間違いないです。
　加えて、登場するそれぞれのキャラクターも印象に残るもので、個人的には“監禁ビジネス”のボス役であるサミュエル・L・ジャクソンのモヒカンギョロ目キャラが、本作をさらに面白くしていると思っております。
　ただですよ、せっかくのリメイク、舞台が韓国からアメリカに変わったんだから、ハリウッド独自の衝撃のラストを用意することはできなかったのかと。「こりゃきっとアメリカならではの“罪”をラストに用意しているに違いない」そう信じて僕は見入っていたんですがね。韓国ならではの泥臭くウェッティな雰囲気も一緒なら、ハンマーを使ったバトルシーンのカメラアングルまで一緒、ついでに「なんだ、結局ラストまで一緒かよ」とガッカリ感を隠し得ませんでしたね。