「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
“安心の三谷グループ”崩れる!キレのないお笑い映画
★★
(2015年/日本/110分)
【 脚本・監督 】
三谷幸喜
【 出演 】
香取慎吾
綾瀬はるか
小栗旬
優香
西川貴教
遠藤憲一
段田安則
石丸幹二
秋元才加
阿南健治
梶原善
田村梨果
浅野和之
山本耕史
大竹しのぶ
西田敏行
【あらすじ】
2265年、人工居住区であるスペースコロニー“うず潮”と地球とを結ぶルート246666、通称“ギャラクシー街道”は、開通してから150年が経ち、かつての賑わいは過ぎ去り閑散としていた。
ギャラクシー街道沿いにあるハンバーガーショップ“サンドサンドバーガー・コスモ店”を営むノアは、妻ノエとパートタイマーのハナさんとともに、老朽化が著しい店で今日も営業中。
その店にたちよる人間味溢れる宇宙人たちとの交流で今日もてんてこ舞いだった―
【コメント】
日本映画のヒットメーカー三谷幸喜が、満を持して作り上げた待望の新作が公開!
僕の中では“安心の三谷グループ”と評するくらい安定した笑いを提供してくれる映画監督であると信じて疑わないので、本作の公開を楽しみにしておりました。
また大勢の観客と三谷流の笑いを共有できると思うと、辛い毎日の仕事のストレスも吹っ飛びます。そんなわけで、さっそく映画館「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。ちょっとお客さんの数少なかったけどね。
どうした三谷幸喜!?キレのないお笑い映画
・・・あ~やっちまったようですな、これ。一体全体どうしちまったんでしょう、三谷幸喜。まったくもって笑いのキレがないですよ、この映画は。
僕はこれまで三谷幸喜監督作品はすべて鑑賞しておりまして、作品すべてについて安定した笑いを提供してくれることから“安心の三谷グループ”と評していたんですが、舞台が宇宙であろうが確実に笑いを届けてくれると思っていたところでまさかの大ハズシを食らうとは思いませんでしたよ。
僕は本作を観るに当たっては、“笑い”を求めて劇場に足を運んでおり、それこそ笑う気満々で鑑賞に挑んでいたわけです。それが、雰囲気こそ「これぞ三谷映画!」を思わせる仕上がりではあるものの、肝心かなめの笑いの“間”を外しまくっているため、笑うタイミングを全然掴めない。それは僕だけじゃなく、あれだけ賑やかな三谷映画がまさかの静寂に包まれた映画館と化してしまっていましたね。僕と同じく観客も笑いどころを失ってしまっていたんでしょう。
唯一の笑いどころは、キャプテンソックスが卵を拾いに宇宙へ飛び出して悪戦苦闘しているところを、それを観ている者たちが店内から野次を飛ばす場面くらいでしょうか。最後も最後のシーンですけどね。
とにかく本作は“笑うに笑えない映画”に仕上がっちゃっています。
とっ散らかったグランドホテル方式
本作のダメな部分は笑いのダダスベリに加えて、ストーリーの散漫さにも大きな原因があります。
本作は、ハンバーガーショップ内で繰り広げられるさまざまなキャラたちのエピソードを交錯させて最後ひとつに収束させる“グランドホテル方式”と呼ばれる群像劇コメディの体を取っているんですが、主軸がしっかりしていないため、まったくもって統一感がなくとっ散らかっている感がハンパない。ラストも無理やり収束させた感じで、全然スッキリしない。
同様のシチュエーションだった『THE有頂天ホテル』は面白かったのにな~。舞台が宇宙になっただけでこうも劣化してしまうのか。シナリオもガッカリの映画でした。
訳が分からない三谷流SF世界観
あとアレですね、三谷流のSFがまったくもって理解しがたい訳分からない世界観だったことですかね。ヘンな宇宙小道具や意味不明なアニメキャラ、パントマイマーまで登場したりと、世界観もとっ散らかりまくってて訳が分からない。
キャラたちも散漫なものばかりで、舞台が宇宙なのでいろいろとナントカ星人みたいなのがたくさん登場するんですが、何がどんな特徴を持っているのかもイマイチ掴めないばかりか、耳や鼻がトガってたり、頭がお花畑だったり、全身ヌルヌルだったり、なぜか衣装がボンデージだったりと、「そこらへんの楽屋にあったヤツを衣装にしたんじゃね?」くらいの安っすいもの。学芸会ですか?と問いたくなるくらいの酷いものです。
豪華キャストの無駄遣い
笑えない、ストーリーもキャラも世界観もとっ散らかりまくった本作に出演した豪華キャスト達は、まさに無駄遣いと言っていいでしょうね。
ライザップ香取、綾瀬はるか、小栗旬、大竹しのぶや西田敏行のような超ベテランまで登場するのに、土台がしっかりしていないが故に、ヘンな格好してヘンなことしている人たちにしか見えない。
一体彼らのギャラでどのくらい消費したのだろうか。黒歴史にならないことを祈るばかり。
ネクストステージへ行きたい三谷幸喜の叫びか?
「三谷さん、また『THE有頂天ホテル』や『マジックアワー』みたいなお笑い映画作ってくださいよ~」
「いやいや、僕は『清州会議』みたいな歴史物や、もっと違った空気の映画を作ってみたいんだよ」
「そこをなんとか三谷さん。また儲かりまっせ!」
三谷幸喜とフジテレビの間でこんな会話があったかどうかは定かではありませんが、少なくとも前作『清州会議』で観られるように、これまでと違った映画に挑戦してみたいという気持ちが三谷幸喜にあるのかも知れません。本作は、押しに負けてしぶしぶ作ったのかも、と。
俺はこんな映画も作れるんだ!お笑い映画に見切りをつけてネクストステージに立ちたいんだ!そんな感じが本作の散漫さに繋がったのかもと僕は勝手に解釈しています。
【2015年度 Myランキング】(10/25時点)
本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
下期はどこも忙しいな~
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
1位:マッドマックス 怒りのデス・ロード ★★★★☆
2位:チャッピー ★★★★
3位:フォックスキャッチャー ★★★★
4位:ピッチ・パーフェクト2 ★★★★
5位:映画 ビリギャル ★★★★
6位:バクマン。 ★★★★
7位:野火 ★★★★
8位:アゲイン 28年目の甲子園 ★★★★
9位:セッション ★★★★
10位:プリデスティネーション ★★★★
次点:キングスマン ★★★☆
ジョン・ウィック ★★★☆
KANO 1931海の向こうの甲子園 ★★★☆
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:極道大戦争 ★
2位:ストレイヤーズ・クロニクル ★☆
3位:進撃の巨人 ATTACK ON TITAN ★★
<その他ランク外一覧>
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