「呪怨 -ザ・ファイナル‐」　★★～惰性で続いたシリーズへの“ファイナル”

※※※　注意　※※※
　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2015』の掲載にあたって」

惰性で続いたシリーズへの“ファイナル”

★★

(C)2015「呪怨　ザ・ファイナル」製作委員会

（2015年／日本／90分）

【　脚本・監督　】
落合正幸

【　出演　】
平愛梨麻衣
桐山漣
おのののか
柳ゆり菜
松浦雅
RIMI
中原果南
最所美咲
小林颯
緋田康人
黒島結菜
袴田吉彦
佐々木希

【あらすじ】

　ホテルに勤務する麻衣は、小学校教師である妹・結衣が失踪したとの連絡を聞く。
　麻衣は、結衣が“佐伯俊雄”という生徒の家を訪問していたことを突き止め、手がかりを求めて佐伯俊雄について捜索し始める。
　しかし、その日から麻衣のまわりで不可解な現象が起こり始める―

【コメント】

　TSUTAYAにて『明烏アケガラス』と一緒にレンタルした本作。
　昨年鑑賞した『呪怨終わりの始まり』の続きということですが、もはやオワコンと化した今さら感満載の題材なので、出来に関してはおおよその予想はしていたんですが、まあOVから続いた「呪怨」シリーズのいよいよのファイナルということで、ホラー好きの僕としては観ておかないわけにはいかんだろうと手に取ってみた次第です。

(C)2015「呪怨　ザ・ファイナル」製作委員会

何がファイナル？惰性で続いたシリーズへの“ファイナル”

　うん、まあ大方の予想どおりの出来。相変わらず長髪を振り乱した伽椰子と真っ白ボディーの俊雄くんが、関わった人間たちを次々と奈落の底へ引きずり込んでいくいつもの展開で、良くも悪くもいつもどおりです。
　とはいえ、ファイナルと銘打っておきながら“いつもどおり”とはいかがなものでしょう。ファイナルなんでしょ？これで終わりなんでしょ？15年続いたシリーズでしょ？なんでいつもどおりの展開なのよ？
　伽椰子と俊雄が成仏するわけでも世界が呪怨によって崩壊するわけでもなく、おんなじことを繰り返しているだけで、本作から「はい！、これで呪怨は終わり！」といった感じが全く見受けられないんですよね。あわよくば数年後にまた続けてやろうくらいの下心が伺えるくらいです。
　本作のファイナルというのは、ネタが尽きて惰性で続いていたシリーズへの“ファイナル”なんだろうと認識しております。

久しぶりに観た女優・平愛梨

　本作の主演を務める平愛梨ですが、最近じゃ天然ボケの女の子としてテレビのバラエティばっかり拝見していたので、女優としての彼女を観たのはほんと久しぶりでしたね。というか、むしろ「あ、このコそういや女優さんだったんだ」と思い出したくらい。僕がまともに女優として観たのは、「20世紀少年」シリーズくらいのもんでしょうか。
　「金八先生」やその他TVドラマなどではもともと実績のある彼女なので、バラエティに引っ張りだこの現状を彼女自身がどう感じているのかは定かではありませんが、もっと女優としての活動を見せてほしいところですね。

しかし、まだあきらめていないサム・ライミ

　とはいえ、ハリウッドに「呪怨」シリーズを紹介した御大サム・ライミ監督は、まだまだこの呪怨コンテンツを続けていきたいようで、ちょいと前の記事になりますがこんなニュースも出ています。

サム・ライミが「THE JUON 呪怨」をリブート
http://eiga.com/news/20140324/5/

　御大、まさかのリブートですかそうですか。まあハリウッド版は本土でもスマッシュヒットしてましたからね、続編がDVDスルーしちゃったりと尻すぼみで終わってしまったのが気に食わなかったんでしょう。
　日本ではオワコンでも、ホラー映画に定評のあるサム・ライミ監督ならばあるいは伽椰子を再び復活させられるかもしれませんな。個人的には『死霊のはらわた』や『スペル』みたいなクラシックなホラーを作ってもらいたいですが。