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「スティーブ・ジョブズ」 ★★★~圧倒的なセリフ量に賛否分かれるところ

※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
 これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2016』の掲載にあたって」



圧倒的なセリフ量に賛否分かれるところ

★★★


(C)Universal Pictures



(2015年/アメリカ/122分/Steve Jobs)

【 製作・監督 】
ダニー・ボイル

【 出演 】
マイケル・ファスベンダー
ケイト・ウィンスレット
セス・ローゲン
ジェフ・ダニエルズ
マイケル・スタールバーグ
キャサリン・ウォーターストン




【あらすじ】

 1984年のMacintosh発表会、1988年のNeXT Cubeの発表会、そして1998年のiMacの発表会の舞台裏を通し、創業者スティーブ・ジョブズの経営者としての手腕、そしてひとりの父親としての姿を描く―


【コメント】

 さて、2月も半ばに差し掛かり、この日は暖房要らずの小春日和。徐々に暖かくなってきている今日この頃ですが、こういう日こそレイトショーに出かけねばと映画を物色したところチョイスしたのが本作。まあレイトは毎週行ってますが。
 ぶっちゃけ本作はスルーしようかと思っていたんですが、あの『スラムドッグ$ミリオネア』や『127時間』のダニー・ボイル監督作品とあれば観ないわけにはいかない!といわけで、夜でも暖かいレイトショー「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。



(C)Universal Pictures



Apple創立者の“ダメな部分”をピックアップした異色伝記

 うーん、この映画の展開、ちょいとばかり意外でしたな~。感想後何とも言えない余韻が漂ってました。
 言わずもがな、スティーブ・ジョブズとはMacintoshやiMac、iPod、iPhone、iPad等を輩出したApple社の創立者であり、数々の歴史的製品を作ってきたにもかかわらず、惜しくも5年前に56歳という若さで亡くなってしまった、まさに歴史に名を残す人物です。
 しかし、本作はあろうことかそんな輝かしい歴史を振り返るようなストーリーではほとんどなく、代表される3つのプレゼンの舞台裏でもってスティーブ・ジョブズという人物の“ダメな部分”を浮き彫りにした作品となっています。MacやiPodがいかにして作られたのか?といったポイントには全くスポットが当たっていませんので、それを期待して観に行った人からすれば多大なる肩透かしを食らうことは間違いありません。
 僕もそんな意外な展開に大いに面喰ってしまったので、本作をどう評価すればよいのやら・・・というのが正直な感想ですね。


圧倒的なセリフ量に賛否分かれるところ

 本作で面食らった一面は他にもあります。それは、上映時間2時間ちょいの間で繰り広げられる圧倒的なセリフ量。先にも言ったとおり、本作はジョブズの代表される3つのプレゼンの舞台裏に焦点を当てた物語なんですが、起承転結的な展開があるわけでなく、とにかく会話・会話・会話の連続。プレゼンのこと、会社のこと、そして家族のこと、そのほとんどが言葉のバトル。言い合いへし合いが2時間怒涛の如く繰り返される。
 そのセリフの多さに圧倒されることうけあいですが、賛否は分かれるでしょうね。セリフだけで状況を読み取っていくのに精いっぱいになってしまう。字幕だと圧倒的に不利ですね。


ジョブズになり切ったマイケル・ファスベンダー

 そんなマシンガンの如く喋りまくり怒鳴りまくるスティーブ・ジョブズを演じたマイケル・ファスベンダーの演技はさすがの一言。観も心もジョブズになり切っていましたね。まるでジョブズがファスベンダーに乗り移ったかのよう。後半の短髪&メガネの姿はほんとクリソツでしたよ。しかも、よくぞあれだけのセリフ量をバンバンと発せられたもんですね。
 本年度米アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされた意味も納得の演技だったと思います。


「音楽家は楽器、指揮者はオーケストラを演奏する」

 経営者スティーブ・ジョブズとして、本作からなるほどと感じた言葉に「音楽家は楽器、指揮者はオーケストラを演奏する」というセリフがありましたね。
 僕自身、システム系の仕事に従事しているんですが、「あいつは満足にパソコンを弄れないくせになんで出世するんだ?」といった僻みはよく耳にします。そういう人にこそこのジョブズの言葉を聞かせてあげたいですね。
 大勢の人間を動かしてひとつのものを作り上げていくことって、パソコンで物を作ることとは訳が違う、難しい作業なんです。人を手足のように動かす力量はある意味才能であり、経営者の資質でもあるんですね。
 こうやって数々のものを生み出してきたスティーブ・ジョブズは、まさにオーケストラ演奏者だったんでしょうね。


カリスマ、嫌われ者、これこそが経営者の本質

 本作を観ると、改めてスティーブ・ジョブズという人物はカリスマ的存在であると同時に、プライベートではまったくもってダメな人間で嫌われ者だったんだなと思います。しかし、これこそが経営者の本質なんじゃないかとも感じましたね。
 僕のように、人目を気にするような小さい人間じゃなく、自身の夢のために信念を曲げず、どんなに人に嫌われようがびくとも動かない真の強い人間は憧れますね。
 まあ、実際に映画のような態度取られたら、僕もブチ切れてしまうでしょうが。



(C)Universal Pictures



【2016年度 Myランキング】(2/13時点)

 本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
 めちゃ暖かい。


(ベスト)… ★★★☆以上が基準

  1位:オデッセイ ★★★★
  2位:さらば あぶない刑事 ★★★★(思い出補正あり)
  3位:
  4位:
  5位:
  6位:
  7位:
  8位:
  9位:
 10位:
  次点:
     
     


(ワースト)… ★★☆以下が基準

  1位:信長協奏曲 ★★☆
  2位:
  3位:


<その他ランク外一覧>
ブリッジ・オブ・スパイザ・ウォーク残穢-住んではいけない部屋-白鯨との闘いスティーブ・ジョブズ






『スティーブ・ジョブズ』公式サイトはこちら




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