「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
結局オチをどうしたかったのか
★★☆
(2016年/アメリカ/104分/10 Cloverfield Lane)
【 製作 】
J・J・エイブラムス
【 監督 】
ダン・トラクテンバーグ
【 出演 】
メアリー・エリザベス・ウィンステッド
ジョン・グッドマン
ジョン・ギャラガー・Jr.
【あらすじ】
夜の街道を車で走っていたミシェルは、交通事故を起こして意識不明に。目を覚ますと、見知らぬ部屋に監禁されていた。
部屋に入ってきたハワードと名乗る男は「人類は滅亡した。この地下シェルターから外には出られない」と告げられる。
同じくシェルターにいたエメットと名乗る若い男を加えた共同生活が始まるが、ミシェルはハワードの言葉から疑念が拭えない。
ミシェルはハワードを襲い、何とか脱出を試みるのだが―
【コメント】
さて、ここへ来てちょっと観てみた映画が公開し始めてきた今日この頃。今日は何観よう、明日は何観ようという、映画好きの僕にとっては嬉しい悲鳴が上がっているわけですが、劇場の予告編を観て、よしこれは絶対に観ようと決めていたのが本作であります。
本作は、2008年にJ・J・エイブラムズのもとで製作された『クローバーフィールド/HAKAISHA』というPOV系モンスター映画と何らかの関係・・・というかタイトルからしてどう考えても関係あると踏み、あの世界観から8年を経てどう料理したのかちょっと興味があって、夜の「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。
ふたつの異なる話を無理やりくっつけた映画
いや~これは・・・ちょっとダメですな~。続編ではないものの、タイトルどおり2008年の『クローバーフィールド/HAKAISHA』と同じ世界観のもとで繰り広げられる密室スリラー映画なんですが、映画の大半で繰り広げられるサイコパス的な展開とクライマックスのもろ『クローバーフィールド/HAKAISHA』の世界観がどうにもかけ離れていて、言ってしまえば密室スリラーに無理やりクローバーフィールドの話をくっつけた感じで違和感がありまくりでしたね。
8年もの歳月を経て、いったいなぜ今こんな映画を作ってしまったのか理解に苦しむところです。
結局オチをどうしたかったのか
先にも言ったとおり、本作の大半は密室スリラー劇が展開されて、地下シェルターの家主であるハワードが信じるに値する人間なのか、といった疑心暗鬼なドラマが展開され、クライマックスで実は・・・といった種明かしがあるんですが、その後外の世界に飛び出してからの『クローバーフィールド/HAKAISHA』の世界観で繰り広げられるモンスターとのバトルという展開がどうにも不自然でならない。
結局のところ、スリラーで落としたかったのか、それともモンスターとの戦いで落としたかったのか、どうしようという狙いがあったのか分からない映画でしたね。
ぶっちゃけ密室スリラー展開も中弛み気味
そもそも、真摯な映画ファンならば、本作にモンスターが登場するだろうというのは絶対に分かっていたはずなんです。だから、「人類は滅亡した」なんてセリフは、観ている側にとっては分かってるわそんなこととなるんです。
しかしながら、実に本編の9割くらいを密室スリラー展開で占めているので、一体いつになったらモンスターが登場するのか?どこからSF的展開になるのか?と感じたはず。
しかも、密室スリラーの展開も途中でグダグダになって、もうええわ!とツッコみたくなる。中弛み気味。人間の心理を描いたスリラーとしては中途半端でしたね。
ジョン・グッドマンのサイコぶりだけはGOOD
まあでも、サイコな役を演じたジョン・グッドマンだけは悪くなかったかなと思います。
親しみやすいお父さん的な雰囲気でありながら、醸し出す威圧感や底知れない怖さをうまく演じていたと思いますね。さすがのベテランスターです。
「クローバーフィールド」の世界観のひとつならアリか?
そんなわけで、製作陣の意図がイマイチつかめなかった本作でしたが、仮に今後「クローバーフィールド」の世界観が続くのであるならば、そのひとつとしてアリなのかも知れません。
『クローバーフィールド/HAKAISHA』で登場したキャラと本作とのキャラが今後融合したり、あの世界観で繰り広げられるドラマが今後も続くのであれば分からないでもない。J・J・エイブラムスの「LOST」シリーズくらいに壮大なスケールを、もしかしたら考えてるのかも知れないですね。
まあでも、こんな出来じゃ次はなさそうですが。
【2016年度 Myランキング】(6/18時点)
本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
頸椎ヘルニア再び。
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
1位:シビル・ウォー キャプテン・アメリカ ★★★★
2位:オデッセイ ★★★★
3位:アイ アム ア ヒーロー ★★★★
4位:エクス・マキナ ★★★★
5位:マジカル・ガール ★★★★
6位:HK 変態仮面 アブノーマル・クライシス ★★★★
7位:さらば あぶない刑事 ★★★★(思い出補正あり)
8位:デッドプール ★★★☆
9位:ボーダーライン ★★★☆
10位:ヘイトフル・エイト ★★★☆
次点:殿、利息でござる! ★★★☆
スポットライト 世紀のスクープ ★★★☆
ズートピア ★★★☆
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:セーラー服と機関銃 -卒業- ★★
2位:X-ミッション ★★☆
3位:信長協奏曲 ★★☆
<その他ランク外一覧>
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