「パッセンジャー」　★★★～ほぼ三人だけの密室SFラブストーリー

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2017』の掲載にあたって」

ほぼ三人だけの密室SFラブストーリー★★★Image may be NSFW.
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（2016年／アメリカ／116分／Passengers）【　監督　】モルテン・ティルドゥム【　出演　】ジェニファー・ローレンスクリス・プラットマイケル・シーンローレンス・フィッシュバーン

【あらすじ】

　20XX年。新たなる人類の居住地を目指し、5000人の乗客と258人のクルーを乗せた豪華宇宙船アヴァロン号が地球を出発した。

　目的地の惑星到着まで120年、乗客らは冬眠装置で眠る安全な旅であったはずだったが、惑星の衝突によりエンジニアのジム・プレストンは90年も早く目覚めてしまう。

　孤独に耐えかねたジムは、一目で恋に落ちた女流作家のオーロラ・レーンを故意に目覚めさせ、幸せな日々を送ることになるのだが、宇宙船には不吉な予兆が続き、やがて目覚めた理由を知ることになる―

【コメント】

　さて、仕事の都合で一周遅れでの鑑賞となった本作。

　劇場の予告編でよく見かけていたので、ちょっと興味をそそられていたのでぜひとも観とこうかなと思っていた映画です。ラブストーリー系はちょいと苦手ですけどね。

　まあでも、設定も面白そうだし、夜の仕事がありつつも「立川シネマシティ」まで足を運んだ次第です。

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ほぼ三人だけの密室SFラブストーリー

　うん、なるほど、期待どおり。登場人物ほぼ三人だけ、だだっ広い豪華宇宙船内で繰り広げられるラブストーリーとサスペンスフルな展開。面白かったです。

　本編のほぼ8割はジムとオーロラ、あとはアンドロイドのバーテンダーのみでストーリーが繰り広げられ、大半はジムとオーロラのラブストーリー。故意にオーロラを冬眠から起こしてしまったという良心の呵責に耐えつつもオーロラとの二人きりの生活に互いに幸福を感じる。バーテンダーの一言で故意に起こしてしまったことがばれてしまい、一時は関係が悪化するも、宇宙船の危機を目の前に再び手を取り危機に立ち向かう。

　後半に、もう一人、これまで操作できなかった全権限を持つ船長が目覚めるので、ちょっと都合良すぎじゃね？とは思いつつもストーリーが一気にスムーズに運び始め、クライマックスの怒涛の展開はやっぱり楽しませてくれる。

　いろいろと都合良すぎな点も数々ありましたが、まあSFエンタメとしてさすがのハリウッド、面白かったです。

ちょっと顔を見せるアンディ・ガルシア

　いやでも、作家オーロラ役のジェニファー・ローレンスは、派手目じゃないながらもセクシーな女優さんですな。あの「ハンガーゲーム」シリーズとはまた違った大人の女性を醸し出した良い役でしたね。途中で目覚めたローレンス・フィッシュバーンも非常においしい役どころでしたね。

　そして鑑賞後、本作の情報をいろいろと調べたところ、数少ない出演者の中にアンディ・ガルシアの名が。パンフレットにも名前は載ってないんですよね。

　「あれ、アンディ・ガルシアなんて一体どこで登場したんだ？」と一瞬思ったんですが、ラストシーン、居住地に到着しクルーたちが目覚めたところに登場していましたね。思わぬスペシャルゲストでしたね。

そもそものツッコミどころも少々

　とはいえ、本作の設定におけるそもそものツッコミどころも少々あるのも否めないところ。

　まず第一に思ったのが、120年もの長きに渡る宇宙飛行でありながら、今回のような不測の障害発生時に全く対応できる体制になっていないのはいかがなものかと。いや、確かに冒頭で自動修復装置が作動しているシーンはあったし、事故は一度も起きていない旨のセリフもあったので、万全な完備の宇宙船であることは分かりますが、256人もの宇宙船クルーすらも眠りこけている宇宙船ってちょっと自信過剰過ぎじゃね？という。しかも、ライフラインである地球との連絡に十数年もかかるとか役立たずの極みです。

　それに主人公ジムも、冬眠装置を破壊できる力量があるのであれば、もっと助かる術が思いつきそうなもんですけどね。もうこうなったら全員起こしちまうとかね。

　とまあ、やりたいことは分かるんですが、ちょっと設定は無理があったかなと。それでもまあ映画は面白かったですけどね。

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