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「暗黒女子」 ★★★★~思った以上にエグいJK版”藪の中”

※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

 これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2017』の掲載にあたって」

 
思った以上にエグいJK版“藪の中”
★★★★
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(C)2017「暗黒女子」製作委員会 (C)秋吉理香子/双葉社
 
(2017年/日本/105分
 
【 監督 】
耶雲哉治
 
【 原作 】
秋吉理香子

 

【 出演 】
清水富美加
飯豊まりえ
清野菜名
玉城ティナ
小島梨里杏
平祐奈
千葉雄大
 

 

【あらすじ】

 

 お金持ちのお嬢さまたちが通う“聖母マリア女子高等学院”。

 とある校舎の一角で文学サークルの“定例闇鍋朗読会”が繰り広げられる。朗読のテーマは、学院の経営者の娘で、全校生徒の憧れの的、そして文学サークルの会長だった白石いつみの死。

 いつみの親友である澄川小百合の仕切りのもと、部員である二谷美礼、小南あかね、ディアナ・デチェヴァ、高岡志夜が各々作った小説を朗読する。

 それぞれが小説を読み上げていくうち、部員たちは次第に疑心暗鬼に陥っていくが、真実は意外な方向へと向かっていく―

 

 

【コメント】

 
 さて、今回はまたもや「驚愕のラスト24分!」に見事に釣られ、劇場公開をちょっと楽しみにしていた本作を鑑賞。
 原作はもちろん未読ですが、いわゆる“イヤミス”と呼ばれる後味の悪ーいミステリーという僕の大好物映画とお見受けしたので、映画サービスデーである1日、さっそく「新宿バルト9」に足を運び鑑賞した次第です。
 

 

(C)2017「暗黒女子」製作委員会 (C)秋吉理香子/双葉社
 
思った以上にエグいJK版“藪の中”
 
 うわぁ~・・・イイ・・・とてもイイ!宣伝文句に釣られたとはいえ、出演者はすべて若手中の若手女優たちなので、鑑賞前はさすがにヌル~いスイーツ系ミステリーものだと思っていたんですが、クライマックス24分、宣伝文句の名に恥じない、思った以上にエグい展開でしたね。めちゃくちゃ面白かったです!
 ストーリー展開としては、芥川龍之介の名作「藪の中」の如く、文学サークルの会長だった白石いつみの謎の死について、それぞれの部員が創作小説の“テイ”でもってあいつが怪しいこいつが怪しいと証言していく。各々が各々の視点で見たいつみ像と他の部員の姿を証言するので、もちろん矛盾点が生じ始める。いったい誰の証言が正しいのか、これから先一体どうなるのか、という疑念を十分に観客に植え付けたうえでの「驚愕の24分」、そしてエグさ爆発のラスト。ヌルいミステリーどころか、そう来たか!と思わせる展開、いやもう最高です。もっとも、オープニングの闇鍋の中身から、おおよその予測は付きそうですが。
 本作はいわゆる犯人当て、というよりも、真実は一体どこにある?といったところにこそ面白さを見出すべきでしょう。映画展開的にも、クライマックスで語る小百合こそが真実と思ってしまいがちですが、それについても果たして真実なのか?という疑惑を持てば、より一層「藪の中」的な面白さを見出すことができるでしょう。
 
 
映画を彩る若手女優たち、しかし飯豊まりえは・・・
 
 本作に登場する6名の若手中の若手女優たちも良かったですね。演技的にはまだまだかと思いますが、フレッシュな雰囲気はさすがの若手です。平祐奈なんか、よくぞここまでやった!と褒めてあげたいいやらし演技をしていましたね。清野菜名は女子高生という割には若干キビしかったですけど。特に清水富美加は異彩を放っていましたね。
 唯一、“太陽のような存在”と呼ばれていた会長役の飯豊まりえ、彼女だけはミスキャスト感が否めなかったところです。最後の最後までどうしても素朴・地味な雰囲気が払しょくできず、彼女に周りを明るく照らすような太陽感が感じられなかった。いや、良かったと思いますよ。決して悪くはなかったんです。しかしながら、どうしてもキャスティングに違和感があったのが飯豊まりえだったので。
 もうちょっと明るく清楚で優しい存在感のある女優のほうが、クライマックスでのイヤミス要素は発揮できたんじゃないかと思うわけです。
 
 
清水富美加よ永遠に・・・
 
 そんなわけで、イヤミス度でいけば先に観た『愚行録』のほうが上ではありましたが、それでも本作は十分な面白さを発揮していたと思います。
 そんな中、本作で異彩を放っていた清水富美加ですが、みなさんニュースでもご存じのとおり某宗教団体に出家をしてしまい、あえなく芸能界引退ということで、本作を観ると非常に惜しい存在の女優がいなくなってしまったなーと。彼女は『HK 変態仮面』で初めて知った存在ですが、当時の芋臭さと比べると段違いに華があって可愛らしくなってます。これからどんどん名をあげていくであろうという矢先の出家だったので、もったいないなーという気持ちがありますね。
 それでも、いつかまたきっと芸能界に返り咲いてくれることを祈りつつ、清水富美加の今後の幸せを祈るばかりです。
 
 
(C)2017「暗黒女子」製作委員会 (C)秋吉理香子/双葉社

 

 

【2017年度 Myランキング】(4/1時点)

 

 本作は、本年度のベスト10中4位(暫定)にランクイン。

 夜の新宿は良いな~

 

(ベスト)… ★★★☆以上が基準

 

  1位:沈黙 -サイレンス- ★★★★☆

  2位:愚行録 ★★★★

  3位:チア☆ダン ★★★★

  4位:暗黒女子 ★★★★

  5位:ザ・コンサルタント ★★★☆

  6位:マグニフィセント・セブン ★★★☆

  7位:サバイバルファミリー ★★★☆

  8位:キングコング 髑髏島の巨神 ★★★☆

  9位:SING シング ★★★☆

 10位:

  次点:

     

     

     

     

  (ワースト)… ★★☆以下が基準

 

  1位:トリプルX:再起動 ★★☆

  2位:お嬢さん ★★☆

  3位:

 

 

<その他ランク外一覧>

本能寺ホテル新宿スワンⅡドクター・ストレンジナイスガイズ!咲 -Saki-ラ・ラ・ランドスレイブメン特捜部Q Pからのメッセージパッセンジャー


 

『暗黒女子』の公式サイトはこちら

 

 

 

 

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