「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

アレク・スカラトス
スペンサー・ストーン
ジェナ・フィッシャー
ジュディ・グリア
【あらすじ】
2015年8月21日。アムステルダムからパリに向けて高速列車でイスラム過激派の男によるテロが発生。そこに居合わせた、ヨーロッパ旅行中のアメリカ人の若者3人組は臆することなくテロに立ち向かう。
なぜ彼らは立ち向かったのか。彼らには立ち向かうべき生い立ちがあった―
【コメント】
さて、今回は御年87歳でありながらいまだ精力的に映画を作り続けるクリント・イーストウッド監督作である本作を鑑賞。
いや、本当は『シェイプ・オブ・ウォーター』を観ようと思っていたんだけどタイムラグで座席予約できず、急きょギリギリ座席が空いていた本作をチョイス。まあ、もともと観ようと思っていたし。
相変わらずの混みようである「TOHOシネマズ新宿」で鑑賞した次第です。
(C)2018 Warner Bros. Entertainment Inc., Village Roadshow Films (BVI) Limited, RatPac-Dune Entertainment LLC
イーストウッド御大の実験映画
うむ、まずまずといったところ。昨今は実録モノの映画が多いイーストウッド御大で、本作もそれに該当しますが、これまでと大きく違うのが、本作の主役にまさかの当事者を起用したところ。もちろん、演技はおろか映画には無縁で生きてきたド素人。そんな実際の事件の当事者を使って一本映画を作っちゃった御大の探求心に脱帽といったところです。おそらくは、実録モノを撮り続けてきて、もしかしたら実際の当事者を使って一本映画が作れるんじゃね?なんて考えた、イーストウッド御大の実験映画だったんじゃないでしょうかね。
それなりに見せるが、やはり間延び気味
本作は上映時間94分という比較的タイトな長さで、クライマックスである過激派の男との戦いが大きな山場となっており、大半は主役のアメリカ人3名の生い立ちから追っていって、いかにテロに立ち向かう姿勢を養ってきたかという流れと、3人がテロに居合わせるまでの流れを追っています。
さすが映画を知り尽くしているイーストウッド御大なだけに、山場がほんの数分であるにもかかわらず、一本の映画としてうまく構成されていてそれなりによく見せています。しかしながら、御大も苦労したのか、3人のヨーロッパ旅行のシーンは蛇足というか非常に間延び気味。3人で楽しく観光したり、夜のクラブではしゃいだりするシーンなど、本作をなんとか94分に引き延ばそうと無理やり撮ったように感じますね。まあ、あれがなければ60分足らずで終わっちゃう映画ですが。
当事者本人を起用したアイデアはすごいですが、やっぱり演技ができないキャスティングは厳しかったように思います。
アメリカらしいヒロイックな映画
本作を観ると、改めてアメリカって“ヒーロー”という存在が大好きなんだなーと感じます。
人を助けたいという信念で軍隊に入隊するも希望がかなわず辛酸を舐めた一人の若者が、偶然居合わせたテロという行為によって信念が再び燃え上がって勇敢にテロに立ち向かい見事撃退。夢が叶わなかったというバックボーンがあるからこそ映える姿ですな。
アメリカにはそんな実話がありますが、日本じゃそうそう聞かない。日本はどちらかといえば複数の組織での行動が多いので、なかなかヒーローという存在が登場しないんでしょうね。
(C)2018 Warner Bros. Entertainment Inc., Village Roadshow Films (BVI) Limited, RatPac-Dune Entertainment LLC
【2018年度 Myランキング】(3/4時点)
本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
もう3月か。
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
3位:
4位:
5位:
6位:
7位:
8位:
9位:
10位:
次点:
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:マンハント ★★☆
2位:
3位:
<その他ランク外一覧>
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