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「パシフィック・リム アップライジング」 ★★☆~中国資本に飲み込まれたロボット映画

※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

 これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2018』の掲載にあたって」

 
中国資本に飲み込まれたロボット映画
★★☆
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(C)Legendary Pictures/Universal Pictures.
 
(2018年/アメリカ/111分/Pacific Rim Uprising
 
【 脚本・監督 】
スティーブン・S・デナイト
 
【 製作 】
ギレルモ・デル・トロ 

 

【 出演 】
ジョン・ボイエガ
スコット・イーストウッド
ジン・ティエン
カイリー・スパイニー
菊地凛子
バーン・ゴーマン
アドリア・アルホナ
チャーリー・デイ
新田真剣佑
 

 

【あらすじ】

 
 人類と“KAIJU”との戦いから10年。
 “イェーガー”パイロットの才能がありつつも、やさぐれた生活を送っていたジェイクは、ひょんなことから知り合った少女アマーラと環太平洋防衛軍(PPDC)に入隊し訓練することになる。
 一方、PPDCは中国企業シャオ産業による新たなドローン・イェーガーの開発が進んでいたが、そこに突如として正体不明のイェーガーが現れ、PPDCが襲撃される。そして、正体不明のイェーガーによってKAIJUを封印した時空の裂け目を再び開かれ、地球は再び窮地に陥る。
 ジェイクとアマーラら若きパイロットは、地球を救うためKAIJUに立ち向かう―
 

 

【コメント】

 
 日本のロボットアニメファンを歓喜させたギレルモ・デル・トロ監督の2013年『パシフィック・リム』から5年、いよいよ待望の続編が満を持しての公開!ということで、前作のファンならばまさに待ちに待った続編ですね。
 かくいう僕はやっとこさの続編で期待はしていたものの、デル・トロ監督が製作側に回ってしまったことに若干の不安がありつつも、やっぱりこれは観なくてはいかんだろうと、さっそく「MOVIX昭島」に足を運んだ次第です。
 

 

(C)Legendary Pictures/Universal Pictures.
 
 
「トランスフォーマー」化したパシフィック・リム
 
 う~ん、いやこれどうなんでしょう。な~んか、「トランスフォーマー」化しちゃった感があるな~。前作が、デル・トロ監督の日本ロボットアニメオタクっぷりをぶつけた作品であるのに対し、続編である本作はディテールをそのまま引き継いだだけの、単にロボットがKAIJUと戦う“だけ”の映画になっちゃってますね。
 いや、確かにロボットの中にはエヴァンゲリオンっぽなーと感じさせるものもありましたが、前作とは決定的な何かが足りない。もともとデル・トロ監督の日本ロボットアニメ愛から始まったものなので、少なくとも本作からはそれに対するリスペクトというかオタクっぷりがあまり感じられない。本当に本当に普通のロボット映画に成り下がってしまっていて、オタクという肝心のスパイスを抜いてしまったために、薄味のエンタメになってしまった。
 単体としてはまあ楽しめるかなと思いますが、続編という位置付けでいくとこれはもう残念な出来としか言いようがない。続編は質が落ちるという典型例でもあると思いましたね。
 
 
全編からにじみ出る“これじゃない感”
 
 前作にハマったファンは、本作を観てどう感じたのか正直気になりますね。それほどハマらなかった僕ですら、本作から違和感、“これじゃない感”はとても感じ取りましたから。
 この“これじゃない感”は一体何なのか。ストーリーはぶっちゃけさほど悪くないし、イェーガーやKAIJUのCGの完成度も申し分ない。しかしながら、全体的に魅力が感じ取れない役者陣、上で書いたとおりのェーガーのトランスフォーマー化、これでもかというくらい登場する中国系俳優と中国の街の中国推し、前作で重要なキャラだった森マコ役の菊地凛子のあっさり過ぎる退場、クライマックスの舞台となった似て非なる東京の街、等々。とにかく、細かい部分を取り上げたらきりがないくらいツッコミどころが溢れていて、そんな細かい部分が積み重なって「これは俺が好きだったパシフィック・リムではない!」となるんじゃないかと思います。
 なぜこうなったのかは定かではないですが、少なくとも続編やる気満々だったにもかかわらずギレルモ・デル・トロ監督が降板したことが大きな要因であることは間違いないと感じます。
 
 
中国資本に飲み込まれたロボット映画
 
 昨今の中国資本によるハリウッド進出は目を見張るものがありますが、御多分に漏れず本作でもそれが分かりやすいくらいに見受けられますね。中国企業シャオ産業しかり、ジン・ティエンやマックス・チャンなど中華系俳優の多数の出演しかり、これでもかというくらいのチャイナ色が現れています。これほどに中国推しされてしまうと、正直ウンザリしてしまうのは僕だけでしょうか。「パシフィック・リム」は完全に中国資本に飲み込まれたロボット映画と化してしまいました。
 本作に限らず、昨今のエンタメ系ハリウッド映画はやたらとチャイナ色が強くなっているのは、映画ファンならばすでに気づいているはず。中国資本が次々と製作会社を買収していった結果なのでしょうが、これ以上ハリウッド映画が中国資本に飲まれ続けていくこの現状は果たして喜ばしいことなのか甚だ疑問ですね。
 世界のハリウッドとはいえ、ハリウッドはアメリカの文化。アメリカ国民の力があってこその映画だと思う今日この頃、アメリカ国民もこの現状を戦々恐々と眺めているのでしょうかね。ハリウッド映画の行く末が心配です。
 
 
(C)Legendary Pictures/Universal Pictures.
 
 

【2018年度 Myランキング】(4/14時点)

 

 本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。

 少々お金使い過ぎた。

 

(ベスト)… ★★★☆以上が基準

 

  1位:シェイプ・オブ・ウォーター ★★★☆

  2位:リメンバー・ミー ★★★☆

  3位:悪女 AKUJO ★★★☆

  4位:グレイテスト・ショーマン ★★★☆

  5位:

  6位:

  7位:

  8位:

  9位:

 10位:

  次点:

     

     

     

     

  (ワースト)… ★★☆以下が基準

 

  1位:マンハント ★★☆

  2位:パシフィック・リム アップライジング ★★☆

  3位:マザー! ★★☆

 

 

<その他ランク外一覧>

キングスマン ゴールデン・サークルジオストーム咲 Saki 阿知賀編 episode of side-A祈りの幕が下りる時デトロイト羊の木スリー・ビルボードサニー/32今夜、ロマンス劇場でブラックパンサー15時17分、パリ行き去年の冬、きみと別れちはやふる-結び-トレイン・ミッションレッド・スパローダンガル きっと、つよくなる


 

『パシフィック・リム アップライジング』の公式サイトはこちら

 

 

 

 

 

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