「ワンダー君は太陽」　★★★☆～純粋で優しくなれる映画

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2018』の掲載にあたって」

純粋で優しくなれる映画★★★☆

【　原作　】

R・J・パラシオ

ワンダー Wonder

1,620円

Amazon

【　出演　】ジュリア・ロバーツ
ジェイコブ・トレンブレイ
オーウェン・ウィルソン
マンディ・パティンキン
ダビード・ディグス

【あらすじ】

　宇宙飛行士になる夢を持つ10歳のオギー。彼は、生まれた時に遺伝子の疾患で27回もの手術を受けたため、他の子供とは違う容姿をしていた。

　学校に通わず自宅学習をしてきたオギーだったが、母親のイザベルは夫のネートの反対を押し切り学校に通わせることを決意する。

　容姿をバカにされると気が乗らないオギー。予想どおり、同級生には見世物のように容姿を弄られ続けるが、持ち前のユーモアと頭の良さで、次第に周りに人が集まって来る―

【コメント】

　さて、いつものTSUTAYAで映画を物色していたところ、新作の棚に「泣けなければ返金します！」という超強気なポップとともに陳列されていたのが本作。

　なにやら世界で大ベストセラーとなった小説の映画化で、映画も絶賛されているという本作。ぶっちゃけ、劇場公開時ほとんど目もくれなかった作品でしたが、強気なポップを目にした僕としては、「よし、じゃあ泣かせてもらおうじゃねぇか」と、ソッコー手に取った次第です。

　うむ、非常に良い映画。登場人物全てに悪い奴がいない、綺麗で純粋、心がとても洗われて優しくなれる映画でしたね。僕的にこの手の毒気のない映画は苦手なジャンルですが、確かな感動がある非常に良い映画だったと思います。

　容姿的な障がいをもって生まれてしまったオギーが、両親と姉、周りの人たちに支えられながら、学校内でのいじめにも負けず、持ち前のユーモアと頭の良さで次第に人々を惹きつけていく。子供ながらの心無いいじめもあるが、決して陰湿なものではなく純真無垢な子供ならではのものなので、観ていても嫌な気持ちにはならない。主人公オギーも、心無いいじめに落ち込むことはあるけど、決してネガティブな思考にはならず、ハンディキャップをはねのけて懸命に生きている。初めて出来た友達との交流と絶交と復縁、苛めていた悪ガキたちと互いに認め合い涙するオギー、卒業式に生徒の代表として表彰されるシーン。出来過ぎな展開ではあるものの、誰もが経験したことがある子供の頃の思い出を美化させるようなきれいな展開ですね。オギーが主体でストーリーは進行しますが、両親からの視点、姉からの視点、姉のかつての親友からの視点、親友ジャックからの視点など、オギーを囲む人たちの心情も描かれていて、面白い作りになってます。

　ちょっと頼りない父親役のオーウェン・ウィルソンもいい味出していましたが、なんといっても母親役のジュリア・ロバーツ、真に強くて優しい母ちゃん役を見事に演じていましたね。母親らしい凛とした表情は頼もしさを感じさせますよ。

　そんなわけで、僕としては特に泣きはしませんでしたが、非常に良い映画だったのは確かなので、TSUTAYAからの返金は見送る方向としときます。